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恐るべし15歳援助交際少女の恐喝事件 15歳少女にしてやられた47歳男性

わずか15歳の少女に47歳の男性が現金550万円を奪われることになったその経緯とは? 援助交際がもたらした警告的な事件。

佐伯 幸子

執筆者:佐伯 幸子

防犯ガイド

事件の経緯


平成14年5月に、静岡市内で会社員男性(独身47歳)が中学2年生の女子生徒B子(14歳)に、路上で援助交際を目的で声をかけたことから交際が始まり、その後B子に紹介された友人A子(15歳)中学3年生とも援助交際をすることになった。

1回4万円で交際を繰り返していたが、後輩のB子が妊娠したことをA子が「警察に言う」と脅迫。男性は自分が父親ではないと思ってはいたものの、「警察に知らされてはまずい」ということで、A子に言われるがままに、計350万円をA子に渡した。

さらに、14年11月、A子は自分の交際相手の男(23歳)に車を運転させて、男性を複数の消費者金融の現金自動支払機に連れていき、計200万円を借りさせてその金を奪った。合計550万円を奪われた男性は、その上またしても現金150万円を要求されたことで耐えきれずに県警に被害届を提出。児童買春禁止法違反の疑いで事情を聴かれることになった。

1月7日にA子はこの47歳男性への恐喝などの疑いで逮捕されたが、別の37歳会社員男性にも同じような手口で現金約50万円を脅し取っていたことから、恐喝容疑で昨年11月に逮捕されており、少年鑑別所で観護措置中の再逮捕であった。


わずか15歳の少女が大の大人を手玉に取ったこの事件は、「援助交際」という名の売買春がまかり通っている昨今、きわめて象徴的な事件でしょう。

「買う大人が悪いのか、売る少女が悪いのか」議論となる部分ですが、「家族や生活のため」ではなく、「遊ぶ金欲しさ」「欲しいものを買う金欲しさ」で売春をするというのは、世界的に見てもめずらしいことだと言われています。

口減らしや家族のために泣く泣く売られていった昔とは違って、現代の日本では、少女たちが自主的に売春行為をしているのです。しかしながら、良識を持った大人であれば、少女買春などはしないはずです。

この件に関しては「大人が買わないこと」で、売りたくても売れなくなるのですから、やはり大人が自制すべきではないでしょうか。このケースのように、主導権があたかも少女の側にあるような事態はいかがなものでしょうか。

中学生くらいの子供の親御さんたちは、大体三十代から四十代の年代が多いでしょう。この事件の被害者男性の会社員らと同じ年齢の人もいるはずです。我が子が売春行為をしていると知ったら、親としてはいったいどんな思いがすることでしょう。

子供には「自尊心を持つこと」を親や保護者がしっかりと教え伝えて欲しい、また児童買春をするような人には法律で禁止されているだけでなく、大人としてやってはいけない行為だと自覚して欲しい…とつくづく願わずにはいられません。

今回のケースは、金額が多大である稀な事件ではありますが、
「美人局(つつもたせ)」による脅迫事件などはこれまでにも報告されています。違法行為をすれば脅迫される危険性がある、ということを知らしめる「警告」的な事件であったと言えるでしょう。

「児童買春・児童ポルノ禁止法」では、児童買春をした場合「3年以下の懲役又は100万円以下の罰金」ですから、この男性は脅迫に屈するくらいなら、自ら申し出て罰金で処罰された方が安く済んだとも言えるわけです。

このケースでは少女の恐喝行為が悪質、奪った金額も高額なため、裁判所がどのような判断をするか、今後の成り行きが注目されます。


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