防犯/防犯関連情報

商店街襲撃!通り魔事件から学ぶ自己防衛術

白昼の通り魔事件発生! 現地で取材した生々しい様子と、難を逃れた人たちの行動から学ぶ、いざというときのための自己防衛の術を解説します。

佐伯 幸子

執筆者:佐伯 幸子

防犯ガイド

事件発生! そのとき、人々は?

“通り魔”はあのあたりで刃物を取り出した
“通り魔”はあのあたりで刃物を取り出した
平成20年1月5日(土)午後3時20分ごろ、東京品川区の東急池上線「戸越銀座」駅付近で発生した通り魔事件について取材してきました。まずは、駅東側「戸越銀座中央会」商店街入り口にある薬局店経営の男性(59歳)に、事件当時のことを尋ねてきました。「外が騒がしくなったので店の外に出てみたところ、人々が同じ方向を見て、まるで“木”のように立ち尽くしていた。異様な光景だった」と、事件直後の生々しい様子を語ってくれました。「本当にあんな状況は見たことがない。皆、言葉もなく、ただ立っていたんですよ」
「こんな感じで女性がかがみ込んでいたんです」
「こんな感じで女性がかがみ込んでいたんです」
そして店の前で女性が一人「ちょうどこんな感じでかがみ込んでいた」そうです。そしてもう一人の女性が歩いてやってきて、見ると女性の手には血がついていたといいます。
「どんな様子でしたか?」の問いに、「いや、別にごく普通にしていましたよ。最初は事情が分からなかったから、ただちょっとしゃがみ込んでいるのかと思った」。歩いてやってきた女性も、「本当に普通の感じで。見たら血が手についていたんだけどね」。そして、「とにかく店の中に入ってもらって、救急車を呼んだんです」「歩いてきた女性は『私はケガも軽いですから』と、初めはそのまま帰ろうとしていました。表情にも特別な感じは受けませんでしたよ」。二人の女性は少年に刃物で左わき腹を切りつけられた女性会社員(30歳)と、背中を刺された女性会社員(42歳)でした。いきなり刃物で襲撃されたのですから、もっと激しいパニックになって顔面蒼白、ガタガタ震えているようなイメージを抱いていたのですが、男性が受けた印象は違っていたようです。このことから、人は突然の出来事に対しては何が何だか分からず、かえってすぐにはショックも感じられないのではないかというような感じがします。おそらく、報道を知り、事態の重大さを認識して初めて恐怖がこみ上げてきたのではないでしょうか。
女性を店内に招きいれて通報を
女性を店内に招きいれて通報を
薬局店の経営者の男性は二人の女性をすぐ店内に招き入れて、二人がケガをしていたので110番ではなく、先に119番通報をしたそうです。この通報がこの事件での最初の119番通報でした。その後、110番にも通報したところ、「戸越銀座ですか?」と逆に尋ねられたそうです。110番通報は、発信場所がある程度特定されるためだったのと、おそらく通報が殺到して、警察でもすでに事態を把握していたためでしょう。すぐに通報するなど、地元のすみやかな協力体制がうかがわれます。幸いなことに、救急車で運ばれた二人の女性は、いずれも10日間の軽傷で済みました。ただ、路上に血痕が残っていたわけでもないため、見ただけでは事件のことが分からないくらいだったそうです。「道路に、犯人の男のバッグが落ちていたそうです」。少年はバッグから2本の包丁を取り出し、両手に持って、いきなり女性らに切りつけたといいますから、バッグは放り出したようです。少年は駅の東側で二人の女性に切りつけた後、線路を越えて西側の「戸越銀座商栄会」商店街を、中原街道のある西方向に向かっていったのです。→逃げて助かった場所は/自動ドアのスイッチを切る!→→衣服一枚の差/バッグでガード→→→「誰でもよかった」への疑問/あなたの一票/関連ガイド記事→→→→あなたの一票結果と寸評
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