2/2 白州スパニッシュオーク2021名品の味わい [ウイスキー＆バー] All About

白州スパニッシュオーク2021名品の味わい(2ページ目)

「シングルモルト白州スパニッシュオーク2021」が10月26日発売された。じっくりと味わってみた結論は、高品質な佳品であった。シェリー酒の貯蔵に使われたスパニッシュオーク樽で熟成させた原酒のみをブレンド。厚みがありながら、柔らかい甘みと絶妙なほろ苦さで魅了する。

厚みがありながらも白州モルトらしい軽快感

　平均酒齢は10年程度らしい。若い原酒もあれば、10年超の原酒もブレンドされているということだが、高品質なニューメイクと厳しい樽貯蔵管理、原酒チョイスの巧みさとブレンド力、見事なまでの高い総合力を物語っている。
　シェリーシーズニングしたスパニッシュオークらしい赤みの強い色調。香りにはカカオ、ダークチョコに加えて、テイスティングノートにあるマヌカハニー、ハーブのような甘い独特の香りがある。とはいえ、それほどには重々しくない。
　味わいはなめらかで柔らかい。心地よい甘み、そしてほどよいほろ苦さがある。このほろ苦さが絶妙で、柔らかい甘みにより軽快さをそよがせる役割を担っているのではなかろうか。スパニッシュオーク熟成の特長を抱き、香味としてのボリューム感も備えながら全体的に極めて繊細にしなやかにまとまっている。余韻もなめらかである。
　森の蒸溜所がつくりだしたニューメイクが、シェリーのスパニッシュオークに詰められとこうなるのか、となんだかわかった気にさせるような、そんなシングルモルトではなかろうか。
　ストーレートでゆったりと味わいたい。それでも2杯目はちょっと加水してみることをおすすめする。香りにマヌカハニーとあるが、加水するとそのニュアンスが理解できるはずだ。
　バーでボトルを見つけたら、是非オーダーしていただきたい。