モルト市場減少も販売数量が伸びた国も多い
まずブレンデッドウイスキーの数字と見比べると、モルトウイスキーの数字はかなり低いように思われるはずだ。ブレンデッドのシェアは90%以上であることをご承知おきいただきたい。
さて、スコッチのモルトウイスキー全体では、新型コロナウイルス以前の2019年と比べると2020年は92%となり、市場は大幅に減少している。トップ10の国々のうち、7ヵ国が前年比増となっているのに、何故なのか。
この記事ではあくまで国別ランキングとしているために、免税市場の数字を掲載していない。モルトスコッチの免税市場は2019年比35%(100万ケース超の減)という厳しい結果となった。ちなみに前回取り上げたブレンデッドスコッチの免税市場は2019年比23%であり、もっと悲惨な数字となってしまっている。
国別トップ10の後に、免税市場の数字を掲載しているので参考にしていただきたい。
日本はコロナ禍にあっても数字としては大きな変化がなかった。前回記事でのブレンデッドスコッチにおいては前年比106%と伸びているので、スコッチウイスキーは大健闘といえる。ただし新型コロナ禍で中国、オーストラリア、ロシアでの数字が大きく伸び、順位としては10位となっている。
もうひとつ、台湾はスコッチのモルトウイスキーをよく飲む国、愛する国である。5大ウイスキー販売数量においては台湾16位、中国17位(日本2位)。ブレンデッドスコッチにおいては中国18位、台湾19位(日本9位)。ところがモルトスコッチとなると台湾は4位となり、日本の2倍以上もの数字となっている。
前年比で大きく減少した国としては、15位イタリア69%、17位スペイン75%、18位南アフリカ76%などである。
【モルトスコッチ国別販売数量ランキング2020/Top10】
* IWSR(International Wine & Spirits Record)のデータより
* 数字はC/S(1ケース/750ml×12本換算)
* 単位/100ケース以下切り捨て
* 左より2019年→2020年、%は前年比
- アメリカ
2,319,000 → 2,177,000 94% - イギリス
1,104,000 → 1,152,000 104% - フランス
977,000 → 1,019,000 104% - 台湾
831,000 → 794,000 96% - ドイツ
442,000 → 478,000 108% - 中国
313,000 → 386,000 123% - カナダ
357,000 → 383,000 107% - オーストラリア
281,000 → 350,000 124% - ロシア
274,000 → 341,000 124% - 日本
330,000 → 330,000 100%
【免税市場販売数量】
モルトスコッチ
1,594,000 → 558,000 35%
ブレンデッドスコッチ
6,168,000 → 1,415,000 23%
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