「シングルモルトウイスキー山崎2020 EDITION」をバーで飲もう
「シングルモルトウイスキー山崎 2020 EDITION」左から、「山崎パンチョン」「山崎ボルドーワインカスク」「山崎スパニッシュオーク」「山崎ピーテッドモルト」「山崎ミズナラ」
新型コロナウイルスの影響を被ったまま2020年が過ぎようとしている。年末を控えたいまも、コロナ自粛のムードが漂う。酒類においては家飲みが定着した感が強く、わたしもここしばらくは自宅で楽しもうといった記事を書いてきた。正直、春からずっと悩ましかった。今回は一歩踏み出そうと思う。
いま、バーに行ったなら、是非飲んでいただきたいシングルモルトがある。
「シングルモルトウイスキー山崎2020 EDITION」。あくまでバーを中心にした料飲店に向けて、先日、11月4日に数量限定で発売されたものだ。酒販店やスーパーでの販売はないので、とにかくバーにお出かけください、としか言いようがない。
シングルモルト「山崎」は現在、ノンエイジ、12年、18年、25年がある。これらはそれぞれに構成原酒が異なる。
山崎蒸溜所では、仕込、発酵、蒸溜までの工程で多様なつくり込みがなされ、個性にあふれたニューメイク(蒸溜仕立てのスピリッツのこと)が誕生する。そしてそのスピリッツを多彩な樽で熟成させている。貯蔵熟成樽も一様ではない。材質、形状、大きさ、前歴も異なる。よって熟成原酒の香味特性はさらに多彩となる。
今回の「山崎2020 EDITION」は、山崎の主だった原酒の香味を伝える以下の5種のシリーズである(価格はすべて税別希望小売価格)。バーでボトルを見つけたら是非味わってみていただきたい。尚、それぞれの香味特長(テイスティング・ノート含む)詳細は次回記事で紹介する予定。
[シングルモルトウイスキー山崎パンチョン2020 EDITION]
700ml・48%・¥11,000
山崎モルト原酒を語る上で重要なパンチョン樽熟成原酒。アメリカンオークを自社製樽してきた長い歴史を誇る樽であり、サントリーのブレンデッドウイスキーを支えてきたモルト原酒といえよう。「山崎」(ノンエイジ)、「山崎12年」に不可欠なモルト原酒である。
[シングルモルトウイスキー山崎ボルドーワインカスク2020 EDITION]
700ml・48%・¥11,000
ニューメイクをボルドー赤ワインの熟成に使われたフレンチオークの樽に詰め、熟成させた原酒。「山崎」(ノンエイジ)の構成原酒のひとつ。
[シングルモルトウイスキー山崎スパニッシュオーク2020 EDITION]
700ml・48%・¥11,000
ニューメイクをシェリー酒の熟成に使われたスパニッシュオークの樽(シェリーカスク)に詰め、熟成させた原酒。「山崎18年」のキーモルトであり、「山崎25年」はスパニッシュオーク樽熟成原酒の25年を超える傑作である。
[シングルモルトウイスキー山崎ピーテッドモルト2020 EDITION]
700ml・48%。・¥11,000
ピーテッドモルト(麦芽を強めに焚いたもの)を使用して蒸溜されたニューメイクをアメリカンオークのバーレル、ホッグスヘッド(2種ともバーボン熟成に使われた樽)に詰めて熟成。「山崎18年」構成原酒のひとつ。
[シングルモルトウイスキー山崎ミズナラ2020 EDITION]
700ml・48%・¥30,000
海外から長年注目を浴びつづけている山崎ミズナラ樽熟成モルト。ミズナラというジャパニーズオークの樽は長期熟成することで白檀、伽羅といったオリエンタルな香味を育む。「山崎」(ノンエイジ)、「山崎12年」「山崎18年」の構成原酒である。
以上、それぞれの香味特性に関しては次回で解説したい。(後篇につづく)
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