ひな祭りにちらし寿司を食べるのはなぜ?東西の違いや具材の意味・献立

ひな祭り(桃の節句)の料理といえば、ちらし寿司という方も多いはず。でも、どうしてちらし寿司なのでしょう? その由来や起源、東西で違う作り方や具材の意味、海鮮丼との違い、献立やレシピなど、ひな祭りに役立つちらし寿司の豆知識をご紹介します。
ちらし寿司、ひな祭りに食べる由来・具材の意味・献立

「ちらし寿司」はひな祭りの献立の主役。その由来や具材の意味は?


<ちらし寿司 目次>  

ちらし寿司とは?東と西でイメージするものが違う?!

ちらし寿司は酢飯の上にさまざまな具を飾ったもので、具を全部酢飯の上に飾る場合と、具の一部をすし飯に混ぜる場合があります。また「ちらし寿司」といってイメージするものは、東西で異なるようです。

【関東のちらし寿司】
関東のちらし寿司

関東のちらし寿司

関東でちらし寿司といえば、酢飯の上に生魚や各種の具をきれいに並べたもの。一人前で盛付けられていることが多い(異称:「江戸前ちらし」、「生ちらし」)。


【関西のちらし寿司】
関西のちらし寿司

関西のちらし寿司

関西でちらし寿司といえば、酢飯に小さく切った具を混ぜ、その上に錦糸卵や海苔などを散らしたもの。基本的に生魚は用いず、煮たり焼いたり味付けした具を用いる。大きな器に盛られていることが多い(異称:「ばらずし」、「五目ずし」、「かやくずし」、「混ぜずし」)。


【ひな祭りのちらし寿司】
デコレーションケーキのようなちらし寿司

デコレーションケーキのようなちらし寿司

ひな祭りのちらし寿司は、酢飯に具をまぜたものが多く、その上に生魚をちらして作ることもあります。とくに決まりがあるわけではないので、最近は、デコレーションケーキのようにしたり、カップに盛付けたりするなど多様です。
 

ちらし寿司と海鮮丼の違い

ちらし寿司、海鮮丼違い

ちらし寿司は酢飯だが、海鮮丼は白飯で作る。その名の通り、丼ぶりを使っていることが多い

新鮮な魚介がのっている「ちらし寿司」と「海鮮丼」。とてもよく似ていますが、ご飯が違います。ちらし寿司は酢飯海鮮丼は白飯です。
 

ちらし寿司の由来・歴史

ちらし寿司の起源には諸説ありますが、有名な2つの説を紹介します。
 
■箱ずし説
江戸時代、木箱に入れた酢飯の上に色々な具を並べたもので、屋根の杮葺(こけらぶき)に似てるので、別名「こけらずし」。その後、器を用いるようになり、「ちらしずし」が始まった。やがて、酢飯の中に具を混ぜる方法もとられるようになり、これが「混ぜずし」「五目ずし」「ばらずし」「かやくずし」などと呼ばれるようになった。
 
■岡山のばらずし説
岡山県に伝わるばらずしで、酢飯に具をたっぷり混ぜたものを大きな器に盛り、上に山海の幸をたくさんのせたもの。江戸時代に、備前岡山初代藩主・池田光政が庶民のぜいたくを戒める倹約令をだし、祭事以外の食膳は一汁一菜に限るとした。この倹約令に反発し、魚や野菜を目立たないように飯に混ぜ、見た目を一菜にしたといわれている(一汁一菜への反発で、祭事のすしが豪華になったという説もある)。
 

ちらし寿司をひな祭りに食べる理由

ちらし寿司は、見た目がとても華やかで、縁起のいい山海の幸をたくさん使っていることから、ひな祭りに食べるようになりました。

ちらし寿司には、菱餅のようにひな祭り(桃の節句)独自の由来があるわけではありませんが、ちらし寿司は一度にたくさん作ることができ、皆で食べられ、祝いの場にもふさわしい食べものです。「寿司」という漢字には「寿を司る」という意味があるように、祭事によく用いられてきました。とりわけ、ひな祭りには華やかで縁起の良いちらし寿司が好まれ、ひな祭りを祝う食べものとして定着していったと考えられています。
 

ひな祭り(桃の節句)の献立、行事食

ひな祭りの行事食といえば、菱餅、ひなあられ、白酒、ちらし寿司、はまぐりの潮汁

ひな祭りの行事食といえば、菱餅、ひなあられ、白酒、ちらし寿司、はまぐりの潮汁

ひな祭りの献立に欠かせないのが、伝統的な行事食。込められた意味を味わうことで、心の栄養になもなります。「行事育」にも最適!

菱餅
健やかな成長を願い、よもぎを入れた緑の餅(厄除け)、菱の実を入れた白い餅(子孫繁栄)、くちなしを入れた赤い餅(魔除け)を重ね、3色で春の情景も表している。

ひなあられ
子どもの成長祈願や、質素倹約の心などが反映されている。東西で形状が違い、あられ状、米粒状がある。

白酒/甘酒/桃花酒
本来は長寿を願い桃花酒を飲んでいたが、江戸時代に白酒が定着。子どもにはノンアルコールの甘酒が親しまれた。

はまぐりの潮汁
はまぐりは対の貝殻しか絶対に合わないことから、何事にも相性の良い結婚相手と結ばれ、仲睦まじく過ごせるよう願う。ひな祭りでは、1つの貝に2つ分の身をのせて盛りつける。

■ちらし寿司
祝いの意を込め、縁起の良い具を彩り良くちらし、子どもの成長を願う。

行事食、行事育について詳しくはこちらをご覧ください。
ひな祭り・桃の節句の食べ物とは?お祝い料理やお菓子の由来
親子の根っこをはぐくむ 「行事育」

  

ちらし寿司の具材の意味

ちらし寿司 具材の意味

ひな祭りのちらし寿司には、縁起の良い具をちらします

行事のものごとは、一つ一つに意味が込められています。ひな祭りには、ちらし寿司の具にも縁起の良いものを用います。

<ちらし寿司の具材と意味>
  • 海老:腰が曲がるまで長生きできるように。赤い色が魔よけとなる。
  • れんこん:穴が開いているので、将来の見通しがきくように。
  • :まめに(勤勉に)働き、まめに(丈夫で元気に)暮らせるように。
  • 錦糸玉子:財宝が貯まるように。
  • にんじん:根をはるように。
こうした縁起のよい具材と共に、季節感のある菜の花や、桃の花の色に似ている田附(でんぶ)などが用いられます。
 

ちらし寿司の郷土料理

全国にその土地ならではの郷土料理があります。ひな祭りにも、郷土色豊かなちらし寿司があるのでご紹介します。
  • 岡山:ばらずし/備前ばらすし/岡山ばらすし/祭りずし
    酢飯に具をたっぷり混ぜ、シャコや穴子、鰆など瀬戸内海の幸をふんだんに盛ったもの。
  • 広島:もぶり飯/もぐり飯/もぶりご飯/混ぜ飯
    広島弁の「もぶる=混ぜる」に由来。甘辛く煮たアナゴ、人参、黒豆、山菜などをご飯に混ぜたもの。
  • 広島県比婆地方:はまぐりずし
    甘く味付けした円形の薄焼き卵に酢飯をおき、4つ折りにしてはまぐりの形にしたもの。熱した火鉢で貝の模様をつける。
 

ちらし寿司の作り方・レシピ

ちらし寿司 作り方・レシピ

ちらし寿司がひな祭りパーティーを盛り上げます

All Aboutガイドのちらし寿司レシピをご活用ください。  
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