自分がお雛さまだったら、右or左、どちら側がいいですか?

女雛は右側?左側?
もしあなたがお雛さまだったら、どちら側がいいですか?気がつけばいつも同じポジションにいるからです。
(写真提供:橋本屋)
雛人形を並べようとして、男雛と女雛の位置を迷ったことはありませんか?「結婚式では新郎の左手に花嫁だから…」「私はいつも右側だから…」など、自分に置き換えて考える人も多いようです。

では質問です。
●あなたがもし男雛または女雛になれるとしたら、どちらの位置がいいですか?

……自分なりの答えを念頭におきながら続きをお読みください。雛人形事情と共に、あなたの深層心理もわかります。


【 INDEX 】
1.逆もまた真なり・・・雛人形の並べ方とその理由
2.あなたはどっち?・・・男女の並び方と深層心理  
3.ルーツは身代わりでした・・・雛人形の歴史 

実は内裏雛(男雛と女雛)の並べ方も二通りあるのをご存知ですか?一般的には「男雛が右、その左手側に女雛」ですが、その逆もあるのです。また、日常の何気ない男女の並び方にも微妙な深層心理が働いており、いつの時代にも、男と女の機微が垣間見えるようです。
※この記事中では「向って左側、向って左側」と客観的な表現ではなく、自分に置き換えて考えやすいように「右、その左手側」と主観的な表現にしています。


最初は「男雛が左、その右手側に女雛」でした

江戸中期(1716~1735年)に作られた【享保雛】。絢爛豪華で40cm~90cm位まで大型化しますが、享保6年(1721年)の御触書によって約24センチまでと寸法制限が定められました。
古来より「天子南面」という言葉があります。これは、皇帝などの偉人は南に向いて座り、北面は臣従することを意味しています。そして、南に向いたときに日の出の方角(東。つまり左手側)が上座で、日没の方向(西。つまり右手側)が下座とされています。

この考え方は雛人形にも当てはまり、本来は「男雛が左、その右手側に女雛」を飾ることが当然でした。

ちなみに、この「日の出=東=左優位」の考えは、「左大臣と右大臣では左大臣のほうが上位」、「今日の地図では東=右、西=左なのに、京都では(御所を中心として)東=左京、西=右京である」など、日本には沢山の例があるようです。

(しかしその後は、右のほうが優れているという意味合いのほうが多くなりました。「右に出るものはいない」「右腕になる」「右にならう」などは右が優れた意味。「左前」「左遷」などは左が劣るという意味。世界の言語学的にみても、右のほうが優勢という例が多いそうです)


現在は「男雛が右、その左手側に女雛」になっているのはなぜ?

現代の雛人形の一般的な並べ方。
しかし、天子南面の名残りで「左近の桜」は内裏雛の左手側(正面から見ると右)「右近の橘」は内裏雛の右手側(正面から見ると左)になっています。(写真提供:こうげつ人形)
現在、雛人形売り場を見てみると、そのほとんどが「男雛が右、その左手側に女雛」。当初とは逆の配置になっているのはなぜでしょう?

それは、プロトコール(国際儀礼)が右上位だったため、西洋化の進む日本でも右上位を取り入れるようになったからです。雛人形の並べ方が右上位になったのは昭和初期で、昭和天皇の即位の礼が催されたときに、プロトコールに従い「天皇が右、その左手側に皇后」に並ばれたことからきているといわれています。また、かつて掲げられていた御真影(天皇皇后両陛下のお写真)もプロトコールに従った並び方だったため、関東の雛人形業界では、それまでとは反対の並び方にしたのです。

しかし、全国一律に変わってしまったわけではありません。現在でも、伝統を重んじる京都では、本来の「男雛が左、その右手側に女雛」とするところが多く見られます。


これで雛人形の並べ方事情はわかりました。では、あなたはどちら側に並びたいですか?雛人形の並べ方に理由があるように、男女ふたりの並び方にも深~いワケがあるそうです  >>>