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火災保険だけではなく、共済でも水害へ備えられる?

県民共済・こくみん共済coop(全労済)・JA共済…火災共済の水害・台風の備え

県民共済・こくみん共済coop(全労済)・JA共済などの共済で台風などの水害補償は備えられる?

台風や集中豪雨などにより、河川の氾濫・決壊や洪水などによる水害の被害が増えています。

自然災害全般にいえることでもありますが、火災保険には水害の補償が付帯されているのか、どのような補償内容なのか、が改めて注目されています。

しかし、水害などによる被害のカバーは、火災保険だけではなく、共済(火災共済)にもあります。共済といっても都道府県民共済(以下、県民共済)やこくみん共済coop(全労済)、JA共済などをはじめ、地域の共済など多数あります。これらの共済は火災保険とは仕組みが違いますし、共済同士でも補償内容には違いがあります。

水害に関して、火災共済はどのような仕組みになっているのかを解説し、最後に注意点についてご紹介します。
   

火災保険と火災共済はどう違う?

保険と共済は、不特定多数を対象にする営利事業の「保険」と、特定の組合員を対象にする非営利の「共済」事業というのが大きな違いです。

実際には共済も組合費などを支払えば加入できますので、窓口の裾野は意外と広いのですが、決算状況によって割戻金などが出ることもあるため、火災保険に比べると割安感があるのが特徴です。

その一方、火災保険のように補償を自分で選んだり、契約内容を自分に合った仕様に変えたりするのは、火災共済は苦手です。補償内容としては一般的に火災保険の方が充実していたり、最新のものがどんどん開発されるものが多いのです。

しかしながら、それぞれの共済も一律の内容で統一されているわけではありません。火災共済などは最たるもので、共済によってかなり内容に違いがあるのです。
 

県民共済「新型火災共済」と水害

県民共済(都道府県によって一部ないところもある)は、比較的安価な掛金で、割戻金があるのが大きな特徴です。

県民共済では「風水害等見舞金」といい、カーポートや門塀・垣、物置など(付属建物等)を除く建物・家財が10万円超の損害または床上浸水で損害があったとき、加入額に応じた共済金が支払われます。

内容は次の表のとおりです。
都道府県民共済と水害

都道府県民共済と水害


なお、水害による床上浸水では、全壊・流失の場合を除いて次の見舞共済金が支払われます。
都道府県民共済と床上浸水

都道府県民共済と床上浸水


ただし1回の水害で一部破損以上の損害と床上浸水が重複して発生するケースでは、上の2つの表にある金額について重複した支払いはありません。この場合は各共済金額の一番高い共済金が支払いになります。

ちなみに一般的な損保の火災保険では、「建物」の契約をすると、カーポートなどの付属建物は補償範囲に含まれます。県民共済では、一部破損(10万円超の損害)があったときに一律5万円が支払われます。県民共済では「風水害等見舞金」というようにいわゆる見舞金のため、最高でも600万円が上限です。

住まいを再築するのに十分な金額ではありませんが、水害のリスクが高い住宅の場合はこうしたことをよくチェックしておきましょう。

なお、1回の風水害等による共済金の支払いが、総支払限度額(2020年4月1日現在、風水害等は850億円。変更されることあり)を超えるとき場合は見舞共済金を削減して支払われます。
 

こくみん共済coop(全労済)「住まいる共済」と水害

全労済は2019年6月から「こくみん共済coop」という愛称に呼び名を変えています。ここの火災共済は「住まいる共済」という商品で水害をカバーします。住まいる共済では「風水害等共済金」から共済金が支払われます。

住まいる共済の場合には、ベースに新火災共済があり、上乗せで新自然災害共済(大型タイプまたは標準タイプ)があります。上乗せをつけるかどうか、また付帯する場合も大型タイプか標準タイプかで自然災害をカバーする内容がかなり変わります。

新火災共済、新自然災害共済(大型タイプ、標準タイプ)、それぞれ3つのタイプごとに共済金支払いの基準が細かく決められています。

近年の損保の火災保険の支払い基準と比べると、少々細かいのでわかりにくいところもありますが、大型タイプでみるとそれなりに補償されています。具体的には次のような内容になっています。表記を少し簡素化して書いていますので、ご了承ください。

表の一番右の金額は、一口あたりの金額/限度金額となります。

■新火災共済
全労済と水害

全労済と水害


■新自然災害共済(大型タイプ)
全労済と水害(自然災害共済-大型タイプ)

全労済と水害(自然災害共済-大型タイプ)


■新自然災害共済(標準タイプ)
全労済と水害(自然災害共済-標準タイプ)

全労済と水害(自然災害共済-標準タイプ)


新火災共済の場合、多くても300万円が限度ですので、風災はもちろん水災のリスクがあるなら自然災害共済による上乗せは考えておいた方がいいでしょう。なおマンションなどの場合には、これを除外した契約をすることができます。

なお、住まいる共済に特約で付帯できる個人賠償責任共済が2019年8月から改定されています。
損害賠償の支払い限度額が1億円、他に対人臨時費用(死亡させたとき10万円、10日入院させたとき2万円、対人事故で3,000円)が支払われます。

なお、個人賠償の特約は個人賠償プラスという名称で、こくみん共済という生命・医療系の主軸商品にも付帯できるようになっています。水害で損害賠償はあまりないでしょうが、個人の日常生活全般の賠償事故をカバーするものなので覚えておいてください。
 

JA共済「建物更生共済 むてきプラス」と水害

JA共済の火災共済は、「建物更生共済 むてきプラス」です。積立なので火災保険・火災共済と比べても最近はあまりないタイプです。この商品は、「風水災等共済金」というかたちで風災・ひょう災・雪災・水災が一緒になっています。

台風の場合は、風災と水災の被害が想定されますが、共済金の支払い条件は同じと考えてください。風災・ひょう災・雪災、そして水災に下記の条件が設定されています。
  1. 風災、ひょう災、雪災または水災によって生じた損害の損害割合が5%以上の場合
  2. 風災、ひょう災、雪災または水災によって生じた損害(※床下浸水を除く)の損害割合が3%以上5%未満の場合
  3. 風災、ひょう災または雪災によって生じた損害の額が5万円以上の場合
水災は3つ目の条件に入っていないので気をつけてください。その上で損害額や契約内容でどのくらいの金額をつけているかで下記の計算をして共済金の支払いをします。
  • 火災共済金額が共済価額の80%以上 損害額(共済金額が限度)
  • 火災共済金額が共済価額の80%未満 損害額×火災共済金額/共済価額×80%
JA共済の場合、水害で3%以上の損害があることなどが必要になり、床下浸水の場合は対象になりません。これは火災保険でも同じですし、他の共済でも床下浸水など一定水準以下の損害は対象にしていません。この部分については火災共済、火災保険いずれも共通しています。

水害についてはハザードマップなどで水害のリスクの確認が必要です。建物の構造なども関係してきますので、水害に限らずどのような自然災害のリスクがあるかをチェックしてください。その上で火災共済のプランにおいてニーズや予算に合うものを選んでいきましょう。

「床上浸水に床下浸水・・・水害で火災保険は支払われる?」では損保の火災保険について解説していますが、火災保険の保険金とここまで解説した共済金の支払い基準がかなり違うのがわかると思います。
 

火災共済のデメリットや注意点とは?

また、火災共済のデメリットや注意点についても最後に挙げておきます。以下のようなポイントが、火災保険と比べたときの加入する際の注意点になりますので、これとメリットを踏まえたうえで検討してください。
  • 水害をカバーする金額が住まいを再築・再購入するのに充分でない場合がある
  • 個々の状況に合わせて必要な補償を選んで設計はできない
  • 水害の支払い基準が、現在の火災保険と比較すると細かく分かりにくいケースが多い

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