ゲリラ豪雨や台風などで被害が発生したら、火災保険の補償対象になる?

夏は急な雨が増える

夏は急な雨が増える

集中豪雨(ゲリラ豪雨)や大雨、台風などによる水害の被害は全国各地で起こりえます。地域によっては、毎年のように水害の被害に遭うところもあるでしょう。

集中豪雨などによる被害は、次の2パターンがあります。

・空から降ってくる雨や風が原因となるもの
・雨が降った結果、川の氾濫や増水などによって被害を受けるもの

一方、火災保険においては、台風、暴風雨、豪雨等による洪水、高潮、土砂崩れ等による被害が補償の対象とされています。洪水や高潮などは想像がつくと思いますが、土砂崩れもその範疇に入っているのは意外と思う人もいるでしょう。

火災保険の補償では、台風による強風による損害は「風災」の補償対象、台風で大雨が降り、床上浸水・洪水、土砂崩れなどは「水災」で補償されます。

今回は、集中豪雨や台風などによる水害(水災)と火災保険の補償について解説します。なお、火災保険の補償上は「水災」というので、この記事では水災という言葉で統一して記載します。

加入している火災保険のプランが水害(水災)に対応しているか

現在の損保各社の火災保険は、それぞれ独自の商品を販売していますので、同じ補償内容ではありません。火災保険商品の中にいくつかプランがあって水災を補償するプランとしないプランがあります。

また火災保険によっては補償を自分で選択するタイプのものあります。こうしたケースでは水災の補償を選択して除外することができる商品もあります。ですのでこれから加入するのであれば、自分の意思で水災補償を外す、あるいは水災補償のないプランを選択しない限りは、通常火災保険では水災は補償されています。

なお火災保険の長期契約で契約していて、以前の業界共通商品だった火災保険(住宅火災保険、普通火災保険)に契約している人は水災の補償はありません。これらの火災保険はすでに新規の取扱いはできないのと、2015年10月以降の長期契約は10年までに改定されたので徐々に数は減ってくるでしょう。

いずれにしても火災保険のタイプにより、水害が補償されるものと補償されないものがあります。自分が加入している火災保険は水災の補償内容を確認してください。

住まいの地域の水災リスクも確認を

同時に、自分が住む地域の水災に対するリスクがどの程度あるのか、把握しておくことも重要です。もともと水災が多い地域もあれば、昨今の集中豪雨等で初めて水害に遭ったという場所もあるでしょう。また、過去に被害がなくても何が起こるか分からないので、自分の家は大丈夫と油断しないようにしましょう。

(参考) 国土交通省 ハザードマップ

自宅の周囲のハザードマップを見たり、過去の周囲の水災の被害状況を火災保険の加入以前に水災に関する危険度も知っておいてください。

火災保険商品の「水災」の補償について

住んでいる建物が共同住宅の上階や高台なら問題はありませんが、1階であったり、半地下になっているような住居や店舗なら、水害の補償について今一度見直してもいいでしょう。

現在ではどこの損害保険会社も火災保険の販売の中心は自社のオリジナル商品です。水災の補償といってもいくつかパターンがあって、実際の損害を支払うタイプもあれば、一定割合を支払う定率の補償のケースもあります。

水災の補償は支払い要件が細かいので、川の近くなど水災のリスクが想定されるなら保険金の支払い要件をよく確認しておきましょう。
 

床上浸水・床下浸水と火災保険

床下浸水と床上浸水と保険金の支払いの関係は?

床下浸水と床上浸水と保険金の支払いの関係は?

ここからは、床下浸水と床上浸水などの水害による被害と火災保険との関係についてお話ししてます。

火災保険における水災の保険金の支払い要件は、一般的に次のようになっています。

  1. 建物または家財それぞれの時価の30%以上の損害
  2. 床上浸水または地盤面から45cm超える浸水による損害

このような違いによって、水災のときの火災保険金の支払いは異なります。床下浸水などだと保険金の支払い基準を満たさないことがでてきます。

前述の通り、火災保険は色々なタイプが出てきていますので、時価の30%という基準をもう少し細かく分類しているなど、基準は各社バラバラです。上記の基準が損害保険会社で共通とは言い切れませんが、一つの目安になるので覚えておきましょう。

特に、水災の危険の高い地域に住んでいる人は、加入している火災保険で損害保険金がどのような基準で支払われるのか、事前に確認してください。なお、水災で保険金を請求する場合、通常は罹災(りさい)証明が必要になります。罹災証明は風水災の場合には市区町村で発行されます。

保険目的にも注意

住宅の保険については、火災保険の目的を建物と家財(状況によって明記物件)に設定し、それぞれに地震保険までつければほぼフル装備です。

しかし、保険料が理由で、持ち家の人なら補償対象を建物だけとしているケースもあるでしょう。水災の場合は、家財道具にも相当な被害が出ますから、保険料と補償のバランスを見ながら検討することが大切です。

水災と言っても、必ずしもきれいな真水が浸水してくるわけではありませんから、汚水や泥、匂いなどで家の中がぐちゃぐちゃになります。店舗や事務所などの場合には、設備什器や商品など契約できる保険の目的が住宅よりも多くなります。状況に応じて必要なものに火災保険を付帯するようにしましょう。

マンションなら水害の心配はない?

分譲マンションなどでマンションを所有している場合、マンションの高層に住んでいるから水災は関係ないと考えている人も少なくないでしょう。

しかし、マンションは専用部分だけでなく共用部分も自分の持ち物です。共用部分にかける保険にも確認が必要です。

最近のマンション管理組合で加入する保険であればほとんど心配ありませんが、何十年も経っていて、管理組合などもなく、共用部分も含めて自分で保険を付けなければならない場合は要注意です。新しいマンションなどでは気にしなくて大丈夫でしょうが、自主管理のマンションなら注意してください。


水害(水災)の補償を火災保険から削除する手も

今回は水災をテーマに、主なポイントなどを中心に解説してきました。しかし、なかには水災の補償など不要な人もいます。

各社独自の火災保険であれば、最近のものは水災補償を外せるものがほとんどです。水災は他の補償より「要・不要」が明確です。水災補償を外すことで保険料を節約することができますので検討してみてください。ただし本当に必要ないかはよく吟味することを忘れずに。

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。