多彩な原酒づくりへの期待、白州グレーン
サントリーウイスキー知多
新たな食中酒の登場、新たなウイスキーシーンの創出につながっている。
かつての記事『シングルグレーン知多/新たな食中酒として人気上昇中』でも述べたが、これまでシングルグレーンがボトリングされていなかった訳ではない。ほとんどは蒸溜所限定品で販売されていて、一般には知られていなかっただけなのである。
白州連続式蒸溜機
白州のグレーン設備は2010年に建設。試験生産を経て、本格的に稼働したのは2013年5月のことで、サントリーのウイスキー生産設備としてはまだ若々しいものだ。そして生産規模は知多蒸溜所の約10分の1。連続式蒸溜機は知多蒸溜所のように大規模なものではない。蒸溜機の塔数は、知多は4塔だか白州は2塔。2塔使用の場合はヘビーな酒質となり、3塔、4塔と使用塔数が増えるほどクリーンな酒質となる。
小規模ながら多彩なつくり分けに対応
福與伸二チーフブレンダー
福與伸二(ふくよしんじ)サントリーチーフブレンダーは「生産規模は小さいですが、それによりさまざまな試験製造に応用が効く設備になっています。また試験製造に対応できるよう設備機能に関しては、かなり細かなオーダーをしました」と教えてくれた。
この試みはとても興味深いものだった。知多グレーンはトウモロコシ由来のふくよかな甘みが特長的だが、白州ではさまざまな穀物を原料にして蒸溜したり、さまざまなアルコール度数で抽出したり、と未来へ向けての多彩な香味特性を持つグレーンウイスキー製造をおこなっている。
今回はここまで。次回記事は近々にアップする予定だが、どんな試験的つくりこみがなされているか、具体的にお話しようと思う。ウイスキーの香味はより広がりをみせる、そんな期待が持てる試みである。(福與チーフの新たな挑戦2へつづく)
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