暮らしの歳時記/冬の行事・楽しみ方(12~2月)

大寒とは?2024年はいつ?食べ物「寒仕込み」や寒中行事も解説

「大寒」とは、「だいかん」と読み、二十四節気のひとつです。寒中見舞いの「寒中」や「寒仕込み」など身近な事柄に関係していますが、知らないことも多いはず。2024年の大寒はいつ? どんな日なの? 行事や食べ物などの風習はあるの?大寒卵ってなに?など、「大寒」について分かりやすく説明します。

三浦 康子

執筆者:三浦 康子

暮らしの歳時記ガイド

2024年の大寒はいつ?大寒の意味や「寒仕込み」の食べ物・寒中行事

大寒とは?今年・2021年大寒はいつ?食べ物や寒中行事

一年で最も寒い頃をあらわす「大寒」。


大寒は二十四節気の最終節で、最も寒い時期という意味。一年の最低気温もこの時期に記録されることが多いようです。2024年の大寒(だいかん)は、1月20日から2月3日となります。
<目次>

二十四節気の最後が大寒

二十四節気の24番目が大寒で、次の立春が1番目となり、立春を迎えると暦のうえでは春になります。大寒の最終日(立春の前日)が、豆まきでおなじみの節分です。旧暦のころは、立春が新しい年の始まりを意味していたので、節分の豆まきは年越しの行事にあたるわけです。

▷詳しくは「節分のいろは~由来、豆まきのしかた、恵方巻

●大寒前後の二十四節気の移り変わり
 小寒 → 大寒 → 立春

なお、二十四節気は、季節の移り変わりを知るために1年を約15日間ごとに24に分けたもので、毎年、太陽の動きに合わせて1年を24等分して決められるため、日付が固定されているわけではありません。

また、大寒といっても、大寒に入る日をさす場合と、大寒から次の立春までの約15日間をさす場合があります。
 

大寒のならわし「寒」「寒中」の行事

大寒とは?今年の大寒はいつ・2020年大寒はいつ?食べ物や寒中行事

「寒中見舞い」で厳しい寒さをいたわります


大寒は、寒中見舞いでおなじみの「寒中」にあたります。二十四節気の小寒と大寒の期間(1月6日頃から2月3日頃までのおよそ30日間)を「寒」「寒中」「寒の内」と呼び、小寒に入る日を「寒の入り」といいます。

寒中に出すのが「寒中見舞い」で、立春を過ぎると「余寒見舞い」となります。郵便局や文房具店などでは、寒中見舞い用のハガキ(暑中見舞いの冬版のようなもの)も販売されます。

▷詳しくは「寒中見舞いの書き方|文例一覧・送る時期・喪中の場合の使い方も

大寒の期間には、「寒稽古(かんげいこ)」「寒修行(かんしゅぎょう)」を行うところがあります。寒さの厳しい寒の時期にあえて鍛錬することで、身体や精神を鍛えるものです。なかには、海や川などに入って行ったり、「寒中水泳」をしたりすることもあります。ちなみに寒稽古は、音楽などの芸術分野や仏教などの宗教分野でも行われています。
 

大寒に食べる「寒○」と「寒仕込み」の食べもの

寒の時期には、寒い時期ならではの食文化がみられます。

手が切れるほど冷たい「寒の水」は、清らかで霊力もあると考えられていました。寒の水でついた餅を「寒餅」といいます。寒の水は、厳しい寒さで雑菌も繁殖しにくいためか長期間腐らないとされ、汲み置きをして薬や料理に使う家もありました。そして、「寒仕込み」の酒、醤油、味噌は、寒の水で雑菌も繁殖しにくいうえ、発酵もゆっくり進むので、味に深みが出ると珍重されるようになりました。

その他にも「寒卵」「寒蜆」「寒海苔」などがあり、寒の時期のものは上質で栄養価も高いといわれています。とくに大寒に産まれた卵を「大寒卵」と呼び、尊ぶようになりました。
 

大寒に咲く季節の花は?

大寒の頃に咲く花といえば、蝋梅(ろうばい)、水仙、梅、山茶花(さざんか)が有名です。

この四種類は、寒い季節に雪の中でもめげる事なく花を咲かせるので「寒中の四花」とも呼ばれています。中国の文人画家たちが画材として好み、寒中に凜として咲く花や植物を「友」にたとえた「雪中四花(せっちゅうしゆう)」に由来します。
 

大寒の初侯・次侯・末侯

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雪の中から顔を出したふきのとう。早春の味を楽しみましょう♪


二十四節気をさらに3つに分けた七十二侯は、大寒の間にこのように移り変わります。
※2024年の日付です。

●初侯:款冬華(ふきのはなさく)1月20日頃
ふきのとうが顔をだし始める頃。「款冬」とはふきのことで、ふきの花茎がふきのとうです。ふきのとうは早春を代表する山菜で、香りが強くてほろ苦い早春の味として人気です。ふき味噌や天ぷらなどで楽しみたいですね。レシピは「早春の味 ふき味噌の作り方」でもご紹介。

●次侯:水沢腹堅(さわみずこおりつめる)1月25日頃
沢に氷が厚く張りつめる頃。「腹」という字には厚いという意味もあり、沢に流れる水さえも厚く凍るほど冷え込みます。厳寒ならではの風景です。

●末侯:鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく)1月30日頃
「乳」には産むという意味もあり、鶏が鳥屋(とや)に入って卵を産み始める頃。本来、鶏は冬には産卵せず、春が近づくと卵を産み始めました。古来、鶏は夜明けを告げる鳥として尊ばれてきましたが、その鶏が新しい命を産むというところで、七十二侯が締めくくられています。上記『大寒に食べる「寒○」と「寒仕込み」の食べもの』で紹介した「大寒卵」が貴重なのも頷けますね。

大寒は最も寒い時期ですが、寒さも底をつけば、春に向かって行くだけです。長い冬がもうじき終わり、希望の春がやってくる……いにしえの文化からそんな思いが伝わってきます。

大寒に関してよくある質問

Q. 大寒と大寒波の関係性は?

A. 「大寒」は二十四節気のひとつ、「大寒波」は規模の大きな寒波のことなので、ジャンルが異なり直接の関係はありません。ただ、一年で最も寒い「大寒」の時期に「大寒波」が襲来することは多いので、そういう意味では無関係ではありませんね。

Q. 大寒を子どもにわかりやすく説明するには?

A. 「二十四節気の最終節で…」と説明しても、子どもにはなかなか難しいと思います。「大寒は大きい寒さと書くように、一年で一番寒い時期なんだよ」と話してあげるとわかりやすいでしょう。
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