暮らしの歳時記/春の行事・楽しみ方(3~5月)

こどもの日の「五月人形」はいつまで保管しておくべきですか? 孫への“お下がり”はNGでしょうか?

親にとって大事な息子の五月人形。一体いつまで飾り、いつまで保管しておけばよいのでしょう? 孫にお下がりするのはNG!? そんな「端午の節句」の素朴な疑問にお答えします。

三浦 康子

執筆者:三浦 康子

暮らしの歳時記ガイド

五月人形はいつまで保管しておくべき? 孫にお下がりするのはダメ!?

親にとっては大事な息子の五月人形。孫にお下がりしてもよいのでしょうか?

親にとっては大事な息子の五月人形。孫にお下がりしてもよいのでしょうか?

5月5日の「端午の節句」には、男の子の健やかな成長を願い、五月人形(武者人形、鎧兜、兜、鯉のぼりなど)を飾る習わしがあります。初節句に用意し、毎年飾ってお祝いするものですが、ではその子が成長したらどうしたらよいのでしょう? 五月人形に関する疑問にお答えします。
 

Q.五月人形はいつまで保管しておくべきですか?

五月人形はいつまで保管する?

五月人形はいつまで保管する?

【質問】
息子の初節句のときに五月人形を購入しました。それ以来、毎年飾るようにしていますが、成長してからは出しそびれてしまう年もあります。五月人形はいつまで保管しておけばよいのでしょうか?
 
【回答】
親御さん共通のお悩みですね。五月人形をいつまで保管しておくかべきかは、決まりがなく、いつまで飾りたいかによります。ご自身で納得のいくようにするのが一番です。さまざまな考え方がありますが、大別すると2つのパターンになるので参考にしてください。
 
■パターン1.区切りとなる年齢まで飾る
七五三の7歳まで、小・中・高・大学などいずれかの卒業まで、成人するまでといった区切りの年齢まで飾る方法です。自分なりに納得できるタイミングがあれば、手放すときもモヤモヤせず気持ちよくいられるでしょう。
 
■パターン2.その子がいくつになっても飾る
五月人形には、元気に育つよう祈願するだけでなく、その子の身代わりとして災厄を引き受けたり、災厄から守ったりする役目があります。その子のお守りのようなもののため、いくつになっても飾ってよいという考え方です。
                             

Q.五月人形を孫にお下がりはできますか?

五月人形を代々受け継いでいる家もあります

五月人形を代々受け継いでいる家もあります

【質問】
いつか孫が生まれたときに、息子の五月人形をお下がりしてもよいのでしょうか?
 
【回答】
五月人形をお下がりしてよいかどうかで悩むのは、賛否両論あるからだと思いますが、お下がりしても大丈夫です。
 
五月人形は人の災厄を引き受ける「人形(ひとがた)」に由来し、その子の魂が宿るといわれています。そのため、基本的には1人ひとりのものと考えられていて、兄弟であっても共有せず、別の人形を用意したほうがよいといわれています。また、持ち主の厄を引き受けくれた人形を別の人に譲ると、厄を移すことになると考えられています。このような本来の主旨に従えば、お下がりはしないほうがよいということになります。

しかし実際には、兄弟で共有したり、父から子へと代々受け継いだりしている家も少なくありません。この場合は、わが家の息子たち・男性たちを守ってくれると考えることもできるでしょう。
 
お孫さんへのお下がりは、息子さんを守ってくれた五月人形だからこそ、息子の子どもも守ってほしいという気持ちの表れなのだと思います。気になる方は、お孫さんに引き継ぐ前に神社やお寺で人形の厄払いをしておくと、気持ちよく引き継げると思います。
 

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