「行事育」の具体例2として、こどもの日/端午の節句をとりあげます。
 

こどもの日/端午の節句の本意

こどもの日

「こどもの日」に男女の別はありません。男の子を主役にする場合や大人だけの場合には「端午の節句」にフォーカスすると良いでしょう

子育て世代にとって、5月5日は大事な日。「こどもの日」は、もともと「端午の節句」といい、男の子の節句というイメージが強いのですが、本来はみんなが無事に過ごせるよう、節日に邪気払いをする行事です。

端午の節句は別名「菖蒲の節句」といい、中国伝来の邪気払い行事に、日本古来の女性の田植神事が結びつき、武家社会で菖蒲が「尚武」「勝負」に通じることから男児の成長を祈願する行事に変化して、江戸時代に五節句のひとつとして定着しました。そして戦後になってから、「こどもの日」になりました。

「こどもの日」に男女の別はありませんから、家族みんなで幸せを願う文化を楽しんで、親子の絆を深めてください。男の子のみの場合には、男児祝いの「端午の節句」にフォーカスすると良いでしょう。


菖蒲の取り入れ方

花菖蒲と、行事に使う菖蒲は別物なのでご注意ください

花菖蒲と行事に使う菖蒲は別物なのでご注意ください

行事の内容は成立過程で変化していますが、菖蒲で厄払いをするのは一貫しているので、家族の無病息災と風情を楽しむのにぴったり。厄除けに用いる菖蒲と、花の美しい花菖蒲は別物ですが、5月に入るとスーパーや花屋に菖蒲が並ぶので、これを用いると手軽です。いろいろな方法があるので、親子でぜひやってみてください。★は<根っこ度>です。

【菖蒲湯】★★★
強い香りで邪気を払い、薬草効果で健康に。入浴中に、鉢巻きや笛にチャレンジすると、とても良い思い出になります。

【菖蒲の鉢巻き】★★★
1本とって頭に巻いてあげると、元気で賢い子に育つおまじないになり、子ども心に残ります。

【菖蒲の笛】★★
横笛(葉を適当にカットし、開口部に口をあてて吸う)、縦笛(同様に、下部を押さえて切り口を吹く)として楽しめます。意外と難しいので、音が鳴ったら「良いことがたくさんあるよ」と褒めてあげましょう。

【菖蒲切り/菖蒲太刀】★★★
束ねた菖蒲を刀にしたチャンバラごっこで、悪魔退治、武芸上達を祈願します。新聞紙で作った兜をかぶり、ポーズを決めたら写真もパチリ。

【菖蒲打ち/菖蒲たたき】★★
束ねた菖蒲を地面に打ち付け、音の大きさを競ったり、折れ具合を競ったりする遊びです。叩いて魔を封じ、音で邪気を払うので、思いっきりどうぞ。

【軒菖蒲】
菖蒲と蓬を束ねたものを軒先に下げます。また、「思うこと軒のあやめに事問わん かなわば架けよ細蟹(ささがに)の糸」と唱えながら軒に結び、クモが糸をはると願いが叶うとされています。

【薬玉】
菖蒲や蓬を玉状に編み、五色の糸をたらしたもので、飾ったり、身につけたりして厄払いをしました。フラワーアレンジの得意な方は、お子さんと一緒に作ってみてはいかがでしょう。セレモニーで使うくす玉のルーツです。

【菖蒲枕】
枕の下に菖蒲を敷いて眠り、翌日菖蒲湯に使います。どんな夢が見られるか、楽しみですね。

【菖蒲酒】★★
本来は菖蒲の根をつけこんだお酒ですが、子どもはお水、大人はお酒に葉をさして、無病息災を願いましょう。

【菖蒲の箸置き】★★
和文化研究家・三浦康子考案の現代流楽しみ方。葉を好きなように丸めたり結んだりして箸置きにします。家族みんなで自分の箸置きを作ってみると、手元で香りたち(香りが邪気払いに効くとされています)、有意義な食事になります。