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「行事育」具体例2:こどもの日/端午の節句 (2ページ目)

親子の根っこをはぐくむ 和文化研究家・三浦康子の「行事育」メソッド。子育て世代にとって、5月5日は大事な日。「行事育」の具体例として、こどもの日/端午の節句をとりあげます。菖蒲、鯉のぼり、五月人形、柏餅、ちまき、背くらべはどうやって取り入れれば良いのでしょう?

三浦 康子

執筆者:三浦 康子

暮らしの歳時記ガイド

 

鯉のぼりの取り入れ方

鯉のぼりは、子を思う親の気持ちから誕生しました

鯉のぼりは、子を思う親の気持ちから誕生しました

鯉のぼりは、子を思う親の気持ちから生まれたものです。もともと幟(のぼり)や吹流しは軍の目印であり、武家社会で男児誕生を祝う際に幟をあげる風習がありました。すると、江戸の庶民の間でも幟をあげたいという声がでましたが、武家と同じとことはできません。そこで知恵を絞り、「鯉の滝のぼり」(滝をのぼりきった鯉が竜になったという登竜門伝説)で立身出世のシンボルだった鯉を幟にして、健やかな成長と立身出世を願う「鯉のぼり」が誕生したのです。

鯉のぼりは、子どもにとって大事な「思い出ボタン」になります。住宅事情で本格的な鯉のぼりがあげられない場合でも、ベランダ用や室内用を飾ったり、手作りしてみてはいかがでしょう。

手作りする場合のおすすめは、紙の鯉のぼりです。「紙」は「神」に通じる神聖なものであり、格の高いものとされています。江戸時代の鯉のぼりは和紙でできていたので、それを真似て和紙で作り、軒先や窓辺に吊るしてみると、風を受けて元気に泳ぎ、雨が降れば「鯉の滝登り」に見立てることができます。こうした文化背景があると、紙の小さな鯉のぼりでも、価値の高いものになると思います。

 

五月人形の取り入れ方

「紙」は「神」に通じる神聖なもの。兜をかぶると守られていることが実感でき、印象的な思い出となります

「紙」は「神」に通じる神聖なもの。兜をかぶると守られていることが実感でき、印象的な思い出となります

災いから身を守る「兜鎧」、魔除けの神様である「鍾馗」、逞しく成長し活躍する「金太郎」など、五月人形には我が子の成長を願う気持ちが込められています。

兄弟の場合、ひとりひとりに準備できれば理想的ですが、なかなかそうもいきません。そういう場合は「あなたたち兄弟を見守ってくれる」、父親のお下がりなら「お父さんを守ってくれた人形だからすごく強い!安心ね」などと声掛けをして、見守られている実感を持たせてあげると良いでしょう。

また、しっかりとした和紙で兜を折ると立派な飾りものになり、大きな紙でかぶれるようにすると「神」が守ってくれるおまじないになります。
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