思春期とは? 思春期に感じるイライラの原因

教室で座っている中高生

理由はよく分からない…でもイライラ、モヤモヤ。それが思春期の心の特徴


中高生が直面する「思春期」。この時期の子どもたちは、他人からのちょっとした言葉や態度に傷ついたり、苛立ちを感じたりしやすく、反発もしやすくなります。

思春期の不安定な心理には多くの理由がありますが、ここでは代表的な4つのポイントをご紹介しましょう。

<目次>  

1.  思春期特有のホルモンバランスの影響

子どもは思春期を迎えると女性ホルモン、男性ホルモンの分泌が急速に増え、心身がとても不安定な状態になります。そのため理由もなく気持ちがモヤモヤし、ちょっとしたことにも感情が刺激され、苛立ってしまうことがあるのです。

また、思春期は自分の体の特徴や外見をとても気にしやすい年頃です。たとえば周りから「ぽっちゃりしている」「色が黒いね」などと体の特徴を批評されると、過剰に傷つき、恥ずかしく感じたりします。親がこうしたことを何気なく言ったりすると、怒りを露わにするかもしれません。他人に言われると、恨みを持ち続けてしまうこともあります。
 

2. 「第二の誕生」、そして自立の始まり

思春期は「第二の誕生」と呼ばれます。この時期には、親と共に築いてきた子ども時代の価値観を壊し、中学校や高校などの新たな環境、そこでの人間関係で学んだことも元にして、自分なりの価値観を構築しようとします。これが「自立」の始まりです。

こうした時期に親から干渉され、とやかく口出しをされたりすると、子どもはとても不快に感じます。「勝手に見るな」「部屋から出ていけ」などと言って親を遠ざけるのは、このためです。

しかし、親には移りゆく子どもの心情にタイミングよく気づくことができず、その場その場の言葉にとらわれて感情をぶつけ合ってしまうことがあります。こうした感情のすれ違いによって、親子間の葛藤が生じ、衝突を繰り返してしまうことがあります。

また、教師などの指導者が思春期のデリケートな心を思いやれず、有無を言わせず高圧的な態度で接してしまうと、子どもは大人に対する反発を覚えます。すると、大人社会への反抗心が育ち、社会人になる前に社会への偏見を強めてしまうことがあるのです。
 

3. 思春期の子どものボキャブラリーの未熟さ

屋上での仲良し4人組

一緒にいられるのはうれしい。でもその関係を保つことをストレスに感じることもある

思春期の子にはまだ、豊かなボキャブラリーで自分の感情や思考を表現できないものです。自分の複雑な感情にフィットする言葉を探しているうちに、若者特有のスラングに自分の感情を合わせ、短絡的な言葉で自己表現をしていることが多いものです。

たとえば、正確には「自分で考えたいから、今はそっとしておいてね」という思いを伝えるべきなのに、適切な言葉が見つからずに「ウザいんだよ」で済ませてしまう。本当は「困るからやめてほしい」という思いを伝えるべきなのに、「死ね。ボケカス」で済ませてしまう。このような感じです。

こうして本来の感情をスラングで表現していると、「ウザい」「ムカつく」といった短絡的な表現に自分の心情を合わせてしまい、その言葉につられて無駄にイライラしてしまうことがあります。
 

4. 仲間関係のプレッシャーとストレスによる疲れ

思春期の子は「仲間関係」を最も重視するため、「仲間」から承認されることは「社会」から承認されることと同じような意味を持ちます。したがって、仲間から認められていると実感できれば、「自分はどの社会でもやっていける」という自信が得られます。

しかし、仲間からの承認には多くのエネルギーを消耗します。仲間外れにされないために興味のない話題に合わせたり、多数派の意見に従わなければならないこともあります。見下されないために空気を読み、無理やりムードづくりをしなければならないこともあるでしょう。

こうした努力はコミュニケーション能力を伸ばすのに役立ちますが、ストレスでくたくたにもなります。すると、外での緊張感が家に帰った途端に急に溶け、些細なことで家族にあたってしまうこともあります。
 

思春期の心を思いやれば、「見守る」ことができる

このように思春期はたくさんの変化にさらされ、感情が揺さぶられる時期です。そのため理由もなく苛立ったり、つまらないことで攻撃的になったりすることがあります。

こうした心情を理解できれば、子どもの感情をいたずらに刺激し、感情的に叱責して怒りを煽ることもなくなります。そして、心情を察してそっと距離を取り、怒りが収まるまで待つこともできるようになるでしょう。

思春期特有の不安定な心理は、成長と共にいずれ自然に収まります。すると、いよいよアイデンティティ形成のフェーズに向かいます。大人はこうした子どもの心の成長を理解し、見守りながら支えていくことが大切です。

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