イライラしたくない! 小さな「イラッ」が怒りに発展する心理とは

イライラを抑える方法が知りたい

毎日イライラすることばかり! イライラを抑える方法はないの?


怒りたくないのにイライラしてしまうことは、誰にでもあるものです。一方で、冷静に考えればイライラすることはデメリットばかりだということも、多くの人が頭ではわかっています。
  • イライラすることで頭がいっぱいになり、大切な時間を無駄にしてしまう
  • イライラしていると思考がどんどんネガティブになってしまう。その結果、誰かを悪者にしたり、意地悪な考えが次々に浮かんでしまう
  • イライラした感情をそのまま相手にぶつけると、相手や周囲の感情を害して自分が非難される
家庭での、小さなイラッとするシーンを考えてみましょう。たとえば慌ただしく食事の準備をしているとき、仕上げの卵を落として潰してしまったら、誰でもイラッとするでしょう。こういったことは、日常生活の中でたびたび起こります。きっかけはごく小さな「イラッ」ですが、その状態のまま物事を考えてしまうと、思考がどんどんネガティブになっていきます。

「やっと完成だと思ったのに台無し! 床も拭かなきゃならないし手間が増えちゃった」(イライラ発生)
→「そもそも、私がいつもこんなに頑張って料理をしているのに、家族は黙って食べているだけ」(不満の派生)
→「誰も優しい言葉一つかけてくれない。なんで私ばっかりこんなに苦労しているの!」(怒り心頭)
 
このように内面で感情をエスカレートさせて気持ちが荒れてしまった経験はないでしょうか? この怒りを家族にぶつけてしまうと、「卵を落としたのは俺(私)じゃないのに、何で八つ当たりされなきゃならないの?」というように非難され、さらに嫌な気持ちに拍車がかかってしまうものです。
 

仕事でのイライラ爆発は「パワハラ」につながるリスクも!

仕事でも同様です。たとえば、後輩に書類作成の仕事を頼んでいたのに期日までに仕上げていなくて、イラッとするような経験は誰にでもあると思います。

「そんなに忙しそうでもないのに、なんで期日までに仕上げてないの?」(イライラ発生)
→「私がこれだけ忙しいのに、なぜ気を利かせて早めに仕事をやってくれないのだろう」(不満の派生)
→「若い人たちは主体性がなく、指示待ちばかり。ほんと使えない!」(怒り心頭)
 
その感情をそのまま後輩にぶつけたり、周りに八つ当たりしたりすると、「パワハラ」と捉えられて自分が非難されるかもしれません。相手にも「分かりやすく期日を伝えてくれなかったのに、なぜ一方的にこちらが悪いと責められなければならないんだろう」などという言い分があるかもしれず、こうした思いを理解せずに自分の感情だけをぶつけると、相手との関係は悪くなる一方になってしまいます。
 

イライラを抑えたいとき試すべきアプローチ……大事なのは「行動→思考」の順序

イライラしたくない、イライラを抑えたいと思うなら、先に行動を変え、次に思考にアプローチするという手順が大切です。感情的にならず、状況を振り返り、合理的に考えるということは、少し難しく感じるかもしれませんが、次の2つの方法を試してみましょう。
 
1. 行動へのアプローチ
その場からいったん離れる(タイムアウトをとる)ことです。そして、冷たい水を飲む、そのへんをぐるっと歩き回る、深呼吸をする、音楽を聴く、お笑いのショート動画を見るなど、気晴らしになることをしましょう。
 
その場からいったん離れて何か他のことをするだけで、イライラの発生源から意識をそらすことができ、感情的に沸騰した頭を冷ますことができます。
 
2. 思考へのアプローチ
1で冷静になったあと、自分ではままならないイライラの原因について改めて考えてみましょう。この順番にするだけで、合理的な思考ができます。

先の例でいうと、卵が床に落ちてイライラしたときは、「こういうこともある。仕方ないから、今日は卵料理はやめて別のものを作ろう」という風に、「ままならぬこともある」という事実を受け入れ、今できることをすることです。すると、合理的な行動を取ることができます。

後輩が締め切りを守らずイライラしたときも、「私の伝え方が悪いのか、彼の理解が不十分なのか。なぜ締め切りを守らなかったのかを一度話し合ってみよう」という風に、考えられる原因を分析し、同じことが生じないように対策を考えて、相手と交渉をすることです。すると、合理的な解決につながります。
 

イライラしてしまうのは短気なせい? 腹を立てやすい性格に悩む方に

イライラが抑えられない人は、自分の性格が悪いのではないか、気が短いのは変えられないのではないかと悩む前に、次の2つを考えてみてください。
 
1. 「ままならぬこと」への対応の経験値が少ない可能性 

「ままならぬこと」は、誰であれ、どうにもならないことです。「そこに苛立っても仕方がない」と考え、今、できることをする、という考えを持つようにしてみましょう。
 
2. 「荷物」を背負いすぎているのではないか
 
役割が多かったり(管理職でありながら親でもあり、PTA会長でもあるなど)、いくつもの仕事を抱えていたり、一つ一つの仕事の責任が重かったりすると、「ままならぬこと」が同時に降りかかってくることが多くなります。複数のことに同時期にイライラするため、どうしても怒りを抱えやすくなってしまいます。

荷物が多いと感じたら、解決策はシンプルです。荷物を減らしましょう。人に任せる、上手に断る、完璧にやらなくてもいいと考える、などを試してみてください。
 

中高年のイライラの多くも「ままならぬこと」「荷物の背負いすぎ」が原因

ちなみに、中高年の人がイライラしていると、「更年期だから」「老人だから」などと、心ない偏見で見られることがありますね。しかし、これらも1の「ままならなぬこと」の経験値の少なさや、2の「荷物の背負いすぎ」が原因として考えられます。
 
高齢期では、高齢になって初めて遭遇する「ままならぬこと」が多いのです。退職後の生活、病気の発生、身体の故障、生活の変化などはすべて「ままならぬこと」。これらの初めてのことへの経験値は誰でも最初は少ないものなので、どうしても苛立ちやすくなってしまいます。気持ち的にはしんどいことですが、それらを受け入れ、今できることをしていきましょう。周りも冷たい目で見ずに、その気持ちを理解し、サポートしてあげることが大切です。
 
中年期は、子育てをしながら仕事では管理職、さらに地域活動の役員であり、老親の世話もあり……などと背負っている「荷物」が多い方が少なくありません。一人で背負おうとせず、シェアしたり、周りと話し合ったりして、一人で抱える荷物を軽くしていきましょう。周りも知らんぷりをせず、自分から声をかけて、荷物を一緒に持ってあげましょう。
 

セルフケアだけでは限界も。気持ちをキャッチしてくれる人を大切に

イライラは、上記の1の行動へのアプローチ、2の思考へのアプローチを行うという個人作業で落ち着きますが、さらに理想を言えば、その感情をキャッチしてくれる人がいると、落ち着きます。イライラした時に「ああ、残念だったね」「それはやりきれないよね」、と言ってもらえると、落ち着きます。イライラした時に、このように言ってくれるがいれば、ぜひ日頃から大事にしていきましょう。

感情の湧出は止められません。だから、イライラするのはお互いさまです。周りでイライラしている人がいたら、ぜひその気持ちを理解してキャッチしてあげることで、精神的に健やかでいられる環境を作っていくことが大切です。
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