ストレス/ストレスフリーの思考術

精神年齢が低いのはなぜ?精神年齢を上げる5つの方法

【公認心理師が解説】「精神年齢が低い自分」を卒業し、「大人の自分」へと成長していくために必要なこととは?「子どもっぽい行動」と「大人っぽい行動」の違い、精神年齢が低い人の特徴、精神年齢を上げる方法としてお勧めしたい5つのレッスンをお伝えします。

大美賀 直子

執筆者:大美賀 直子

公認心理師・産業カウンセラー /ストレス ガイド

「子どもっぽい行動」と「大人っぽい行動」の違いとは

「精神年齢が低い」と言われてしまったら 精神年齢を上げる方法

「いつも、おいしいところをひとり占めしたい!」たとえばその気持ちを押し通すのは、精神年齢が低いことの表れかもしれません

外見では立派な大人に見えても、付き合い始めると「子どもだなぁ」と感じる人はいませんか? あるいは、「自分自身がそのタイプかも」と感じている方もいるかもしれません。

たとえば会食をしたとき、「よかったらどうぞ」と自分が食べる前に周りの人に勧めたり、小皿に取り分けてあげたりできるのが、大人っぽい行動だといえるでしょう。逆に「これ、私の!」などと言って、真っ先にいちばんおいしそうなところをガバッとひとり占めしてしまったりすると、「子どもっぽいなぁ」と思われてしまいます。

また、人の話を最後まで聞かず、「ワタシこう思うんだけどさぁ」などと途中で話の腰を折ったり、周囲の事情を考えずに「私、これやりたい!」などと、いつも自分の欲求を押し通していると「子どもっぽいなぁ」と思われてしまいます。

たまにであれば、「あの人、無邪気でかわいいところがあるよね」などと好意的に受け取ってもらえるかもしれません。しかし、何度も続けていると幼稚に見え、「精神年齢が低いのかな?」と思われてしまうかもしれません。

<目次>  

「精神年齢が低い」人の共通点をセルフチェック!

人は誰でも、幼いころには自己中心的な考え方をしているものです。年齢とともに心が成長していくと、他人の気持ちを想像し、行動の背景を考える力がついてくるようになり、その結果、他人を思いやる行動も増えていくのです。

しかし、心が成長しきれていないと、年齢的には大人でも、他人のこと考えない自己中心的な考えや行動が続いてしまうものです。私たちにも気づかないうちに、子どもっぽい面があるのかもしれません。まずは、以下の項目に心当たりがないか、振り返ってみましょう。

□ うまくいかないことがあると、「他人や社会のせいだ」と考えてしまう

□ 人に何かをしてあげるより、人から何かをしてもらいたいという思いの方が強い

□ 見返りもないのに、他人や社会のためになることをしたいとは思わない

□ 会話では自分が一方的に話すだけ、あるいは一方的に聞くだけのことが多い

□ グループのなかで、自分から進んで計画を立てることはなく、ほとんど人任せである

 他人に対して、あいさつやお礼、お詫びの言葉を伝えるのは苦手

誰にでも多少は心当たりのあることもあると思いますが、上記の項目の多くに当てはまる場合、できるかぎり成熟した大人になることを意識したほうがよいと考えられます。
 

精神年齢を上げる方法は? 心がけたい5つのレッスン

では、子どもっぽい自分を卒業し、心身共に大人へと成長していくためには、どのようなことを心がけたらよいのでしょう? 私がお勧めしたい5つのレッスンをご紹介します。

■レッスン1:不快な言葉でも、まずはドンと受け止め、背景を考える

たとえ、他人から不快なことを言われてムッとすることがあっても、湧き上がる感情をいったん脇に置き、相手の言葉や態度をドンと受け止めましょう。そして、気持ちが落ち着いてから、なぜそのような言葉を発したのか、相手の気持ちや事情について考えてみましょう。

■レッスン2:「してくれないこと」より「自分ができること」を考えてみよう

「もっとこうしてほしいのに」「どうしてこうしてくれないんだろう?」という気持ちが強い場合、他人への依頼心が強いのではないかと振り返り、「自分からできることは、ないだろうか?」と考えてみましょう。そして、できそうなことを実行してみましょう。

■レッスン3:過去に起こった嫌なことにとらわれず、未来に意識を向けよう

他人から受けた理不尽な仕打ち、他人のせいで経験したしくじり。こうしたことに怒りをおぼえるのは自然なことですが、その思いにとらわれたままでいると、先には進めません。こうした気持ちが浮かんだら、「あの時はたしかにつらかった」と自分のすなおな感情を認め、「でもそれは過去のこと。これからどうしていくかを考えよう」と、未来に意識を向けていきましょう。

■レッスン4:相手も自分も、両方の気持ちを大事しながら話し合おう

コミュニケーションは互いが楽しむもの。他人の話を最後まで聞かないで、自分の話したいことばかり話している場合、コミュニケーションの力は成長していきません。相手と自分の両方の気持ちを大切に考えながら、互いの思いを伝えあっていくこと。この方法を「アサーション」と呼びますが、これを意識して話をすると、会話のキャッチボールがしっかり続きます。詳しい方法は、「あなたはアサーティブな会話できてますか?」の記事をぜひ参考にしてみてください。

■レッスン5:他人と協力し、成長しあう体験を重ねよう

他人に喜んでもらうことに喜びを感じられることを、「ヘルパーセラピーの原則」と呼びます。親切にしてあげた時の相手の笑顔、感謝の言葉、その時におぼえた感情を思い返してみましょう。「人に喜んでもらうことはうれしいことだ」と純粋に実感できるようになると、他人を思いやる行動を自然にとれるようになり、心は大人へと成熟していきます。「ヘルパーセラピーの原則」について詳しく知りたい方は「ピンチにも強く!一人で潰れない「頼り上手」の考え方」をご参照ください。

 

人に慕われ、相談されるようになったら立派な大人

心が大人へと成長していくと、たくさんの人から慕われるようになります。「あなたと話したい」と言ってくれる人が増え、相談を持ちかけられることも増えていくでしょう。こうしたときに「面倒だなぁ」「やっかいだなぁ」と思うより、「人の役に立てているんだな」という喜びの気持ちが増えていると感じたら、心が大人へと成長している証拠だと思います。

ぜひ上記のレッスンを意識しながら、自分自身の気持ちの変化や人間関係の変化を感じていきましょう。

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