アンチエイジング/アンチエイジング美容・若返り術

シワが気になり始めた肌にビタミンAでエイジング対策

小ジワはエイジングケア開始のサイン?肌のターンオーバーを助けるビタミンAでのでエイジング対策について、美容皮膚科医の佐藤やすみ先生にお聞きしました。

早川 景子

執筆者:早川 景子

スキンケア・ボディケアガイド

皮膚が硬くなると折り目が入るようにシワが生まれる

ビタミンA1

目の下のシワやくすみは、エイジングケア開始のサイン?

なんとなく、目の下のシワやくすみが気になってきたら、それはターンオーバーが遅くなってきているサインかもしれません。

「ターンオーバーが遅くなり、皮膚が硬くなると、まるで折り目が入るようにシワが生まれてきます」と美容皮膚科医の佐藤やすみ先生。

ターンオーバーとは、肌が生まれ変わるサイクルのこと。基底層で生まれた細胞が角層に上がり、最終的に垢となり、はがれるまでは約1ヶ月程度といわれていますが、年齢を重ねることにより徐々にそのサイクルのスピードが遅くなってきます。さらに、体調や生活習慣、間違ったお手入れなどによっても、生まれ変わりが遅くなり、古い角質が落ちないために硬くなってしまうことがあります。

 

ビタミンAで古い角質を落とし、もっちり肌をキープ

ビタミンA2

ビタミンAは使い続けることで弾力のある肌をキープ

「このような、“ターンオーバーが滞っている状態”になっている肌に元気を与えるのがビタミンAです。ビタミンAは肌に塗ることにより、滞ったターンオーバーを正常に整えると同時に、角質肥厚を解消します。また、皮脂分泌をコントロールして水分油分のバランスを整える、コラーゲンの生成を促す、抗酸化作用により肌老化を防ぐ働きもあります。これにより、肌表面の余分な角質を薄くし、内部の真皮のボリュームを増やす効果が期待でき、透明感とハリのある肌へと導いてくれます。」(佐藤先生)

 

“A反応”を予測し、まずは乳液かクリームに混ぜて使う

そこで、肌のエイジングを感じ始めたら、ビタミンAを配合した化粧品をいつものお手入れにプラスすることをおすすめします。

「化粧品に配合されるビタミンAには大きく分けて2種類あります。レチノールとトレチノインです。トレチノインはレチノールの誘導体で、効果はレチノールの約50~100倍といわれています。その分、肌への刺激が強いため、医療機関のみでの取り扱いとなっています。普段、アンチエイジングのために使い続けるのであれば、まずは気軽に使えるレチノールを選んでみてはいかがでしょうか。」(佐藤先生)

使う前に覚えておきたいのが、ビタミンAの特徴です。

「体質・肌状態によっては、慣れるまで“A反応”というのが出る場合があります。“A反応”とは、ビタミンAを含む化粧品を塗ることで起こる反応で、皮膚が赤くなったり、皮むけしたり、一時的にニキビができたりすることなどをいいます。」(佐藤先生)

そこで、ビタミンAを含む化粧品を使うときは、まずは薄めて使うことを、佐藤先生はおすすめしています。

「方法は2通りあります。ビタミンAは脂溶性ビタミンのため、油分に溶けるので、油分を含むタイプの乳液やクリームに混ぜて使うか、乳液やクリームを塗った上から重ねて塗る方法です。どちらの場合も皮膚に対しての刺激はおだやかになります。肌が慣れてきたら、乳液やクリームの前に使うことで、より一層高い効果を求めることもできます。」(佐藤先生)

 

角質が薄くなるから、紫外線対策は欠かせない!

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ビタミンAを含む化粧品を使い始めたら、日焼け止めや日傘を使った積極的な紫外線カットを!

そして、もうひとつ、ビタミンAを含む化粧品を使い始めたら、紫外線対策を強化しましょう。

「ビタミンAには抗酸化作用があるため、継続して補い皮膚の中にためこむことで、紫外線による肌老化を防ぐように働きます。しかし、それと同時に、肌表面の余分な角質を薄くする働きがあるため、物理的には、紫外線の影響を受けやすくなります。そこで、ビタミンAを含む化粧品を使い始めたら、日焼け止めや日傘などを使った紫外線対策は欠かさず行うようにしましょう。」(佐藤先生)

夏だけでなく、一年中紫外線は降り注いでいます。外出する日はもちろんのこと、家の中にいるときでもガラスを通して部屋に入ってくる紫外線から肌を守るために、日中は必ずUVカット効果のある化粧品(日焼け止めやUVカット効果のある下地クリーム、BBクリームなど)を塗るようにしましょう。

 

朝よりは夜に使い、早めに使い切るようにする

レチノール(ビタミンA)入りの化粧品は、百貨店のコスメカウンター、ドラッグストアなどで手に入ります。なかには医療機関でのみ販売しているものもあり、レチノールの濃度が高めのものや、美白効果も期待できるタイプなどが揃っています。気になる人は、皮膚科や美容皮膚科などのクリニックで相談してみましょう。

「レチノールは安定性のあまり高くない成分です。そのため、できるだけ空気に触れないようなつくりの容器に入っているものが多く見られます。使う頻度にもよりますが、量が多いタイプよりも少ないタイプをなるべく早めに使い切ることをおすすめします。また、紫外線の影響を受けることのない夜に使うようにしましょう。」(佐藤先生)

ただし、妊娠している方はビタミンA配合化粧品の使用は控えましょう。

 

ビタミンAを含む緑黄色野菜を食べて、体の内側からもケアを

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β-カロテンを含む緑黄色野菜を摂って、肌老化予防を!

ビタミンAは、アンチエイジングのために、食事で摂ることもおすすめです。特に注目したいのが、細胞の生まれ変わりを正常に保つ働きと、強い抗酸化作用により活性酸素の発生を抑え、取り除き、体の酸化を予防する働きです。

「おすすめは、プロビタミンAであるβ-カロテンを含む緑黄色野菜を摂ることです。ビタミンAは脂溶性ビタミンであるため、摂りすぎるとかえって体に不調が出てくることがあります。しかし、β-カロテンであれば、その心配がないといわれています。β-カロテンは油に溶けやすいので、油を一緒に摂ると吸収力が上がります。緑黄色野菜に、オメガ3系脂肪酸を多く含むオイルとビネガーでつくったドレッシングをかけて食べるなど、効率よく摂りましょう。」(佐藤先生)

β-カロテンを多く含む食品には、にんじん・かぼちゃ・ほうれん草・春菊・しそ・モロヘイヤなどがあります。

「さらに、同じく高い抗酸化力のあるビタミンCとEも同時に摂るようにすると、相乗効果により、体の酸化を予防する力がアップしますので、おすすめです。ビタミンA、C、EはビタミンACE(エース)と呼ばれ、美容にとってもよい働きをする栄養素として知られています。」(佐藤先生)

体の外側と内側から上手にビタミンAを取り入れることで、肌サイクルを維持し、紫外線による酸化にも負けない、透明感とハリのある肌を目指しましょう。

 

記事監修/佐藤やすみ(さとう やすみ)

美容皮膚科医。順天堂大学病院研修後、都内スキンケアクリニック院長を経て、恵比寿やすみクリニックを2011年に開業。美容皮膚科、レーザー治療、各種注入療法などの経験は二万例を超える。等身大の美肌ドクターとしても知られ、女性誌の美容ページなどでオリジナルの美肌術を紹介することも多数。

 

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※個人の体質、また、誤った方法による実践に起因して肌荒れや不調を引き起こす場合があります。実践の際には、必ず自身の体質及び健康状態を十分に考慮し、正しい方法で行ってください。また、全ての方への有効性を保証するものではありません。

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