柑橘系の香りのライトでスムーズな飲み口
キルベガン蒸溜所
「カネマラ」や「ターコネル」と同様、クーリー蒸溜所を立ち上げたジョン・ティーリングが消滅してしまったアイリッシュのかつての香味や名品の再興をコンセプトにしたシリーズのひとつ。
アイルランドの首都ダブリンから西へクルマで約1時間半の場所にタラモアという街がある。そこから北へ10kmほどの距離にあるキルベガンという小さな村にキルベガン蒸溜所はある。
前身は、特定されている蒸溜所の中で記録に残っている最古の蒸溜所であるブルスナ蒸溜所(1757年創業)であり、「キルベガン」は代表ブランドであった。1843年にロック家が買収してロック蒸溜所となって輝かしい時代もあったが、1953年に閉鎖となる。
キルベガン貯蔵庫
2007年からは小規模ながらキルベガン蒸溜所として蒸溜を再開してブティック・ディスティラリーとしての評価を高めている。
この「キルベガン」はクーリー蒸溜所がブレンデッドとして復活させたもので、クーリーで蒸溜した一部原酒をキルベガンの貯蔵庫で熟成させ、またキルベガン蒸溜所の原酒も使用している。アイルランドでは家庭用として人気がある。
アイリッシュ特有のモルティさもあるが、柑橘系の香りのライトでスムーズな飲み口のよさが特長的だ。これまでに記事にした「カネマラ」や「ターコネル」といったシングルモルトは異なるしなやかさがある。一度試していただきたい。
キルベガン
700ml/40%/¥2,600(税別)
色 淡いゴールド
香り レモングラス・ライム
味わい モルティな甘いトースト様・スムーズ
フィニッシュ バランスがよく、ドライで緑の葉のような感覚がある
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