少子化でビジネスの舵取りが難しくなる子供市場
11月15日は七五三。今年も日本全国で多くの家族が七五三のお祝いをすることが予想されます。ただ、日本は少子化が進んでいて、年々子供の人口は減少の一途を辿っています。総務省の統計によれば、0歳から14歳の年少人口は1980年は2752万人でしたが、2013年には1639万人と、ここ30年ほどで実に40%もの減少を記録しているのです。
この少子化によって、子供を対象としたビジネスも難しさを増しています。矢野経済研究所の調査によれば、子供市場の市場規模はここ10年の間、12兆円前後で推移していますが、教育関連やサービス関連が伸びを示す一方で子供服や玩具関連の売上が落ち込むなど2極化の様相を呈しているのです。
特に子供服は成長に伴って着られる期間も短く、消費者はブランド品にお金をかけるよりは、ファストファッションで賢く済ませようという流れが顕著になっています。この傾向を示す事実として、子供服ブランド「ブーフーウー」の倒産とユニクロの子供服参入が挙げられます。
1984年に南青山で創業した子供向けアパレルブランドの「ブーフーウー」はファッション性の高い子供服で母親の支持を得ていましたが、10月30日18億円もの負債を抱えて民事再生法の適用を申請しました。2007年7月期にはピークとなる57億円にも上る売上を計上していましたが、2014年7月期には売上が8億円にまで急減。これ以上の事業の継続は困難と判断したのです。
一方で子供関連の事業の拡大を図るのがユニクロ。ユニクロは、1997年にキッズ、2002年にベビーの取り扱いを開始し、徐々に店舗を拡大してきました。そして、この2014年秋冬コレクションより、キッズ&ベビーの取扱い店舗数を426店舗から679店舗へおよそ1.6倍に拡大。特に、地方などに多く展開している小型の店舗において、積極的にキッズ&ベビーの取り扱いを開始するなど力を入れていく予定です。併せて、アイテム数も1.5倍に拡大し、デイリーウェアからおしゃれ着、ヒートテックに至るまで色柄を豊富にした充実のラインアップで顧客を取り込み、昨年の売上から倍増を見込んでいるのです。
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