子供専用の写真館で快進撃を続けるスタジオアリス

スタジオアリス

スタジオアリスは縮小する子供市場にかかわらず異例の快進撃を続けている

少子化の影響で縮小する子供市場でのビジネスは舵取りが難しいですが、中には逆境をものともせずに快調に成長を続ける企業もあります。

そのうちの1社が『スタジオアリス』。

スタジオアリスは、もともとは写真を現像するDPE店を経営する企業でしたが、1992年に子供専門の写真館をオープン。1994年には日本トイザらスと提携し、規模を拡大を図ります。そして2013年12月末現在、日本全国に441店舗を展開する子供専門写真館の最大手にまで上り詰めてきたのです。

このスタジオアリスは子供専門の写真館というニッチな市場にも関わらず1号店のオープンからおよそ20年間で売上を350億円まで引き上げるなど、驚異的な成長を実現してきました。子供関連市場では多くの企業が苦戦する中、スタジオアリスが快進撃を続ける理由はどこにあるのか?

マーケティングの視点から分析していくことにしましょう。

縮小する子供マーケットで快進撃を続けるスタジオアリスの秘密とは?

売上をマーケティング要素に分解すると次の公式が成り立ちます。

『売上高=顧客数×1回当たりの客単価×リピート回数』

たとえば、ある会社で1年間に1万人の顧客が1回当たり1000円購入し、10回リピートしたとすると、その企業の売上は公式を活用して、『1万人×1000円×10回=1億円』ということがわかります。

ですから、マーケテイング戦略で売上を上げようと思えば、顧客数をアップする施策、1回当たりの客単価を上げる施策、リピート回数をアップする施策を分けて考えていけばいいのです。

それでは、ここでこの3つの要素について、スタジオアリスはどのような取り組みを行っているのかを検証していくことにしましょう。

1.顧客数をアップさせる取り組み

スタジオアリスではマタニティのころから新たな顧客を取り込む試みに取り組んでいます。毎週火曜日にはマタニティの日と称してマタニティ写真を取る場合は、先着20名に限り通常3240円かかる撮影料を無料にしたうえに「Baby Shower Book」という3枚の写真が入る写真立てをプレゼントして来店を促し新規顧客の獲得を狙っています。

また、これまで0歳から7歳までだった主要ターゲットを10歳まで拡大。店舗に従来よりも大きめのサイズの衣装を取り揃えてより多くの顧客にアピールします

他にも、子供専用写真館の書き入れ時は七五三ですが、11月の七五三の時期は家族写真を撮る顧客が集中し、注文をすべてさばききれないケースも出てきます。そこでスタジオアリスでは七五三の前倒しを提案。早い時期に撮れば割引となるキャンペーンを実施して来店を促し、顧客の取りこぼしを未然に防いで顧客数の底上げに努めているのです。

2.客単価を上げる取り組み

たとえ少子化で顧客数が減ったとしても、客単価を上げていけば売上アップにつながります。スタジオアリスは客単価を上げるために子供や母親に人気のディズニーキャラクターに着目。ディズニーと提携して衣装や背景などディズニーの世界を再現することで、通常の撮影よりも高い価格を設定し単価アップを目指しています。

3.リピート回数を上げる取り組み

スタジオアリスでは衣装代は撮影料に含まれますので、何度も来店して写真撮影してもらえるように新作を含めて各店舗に500着以上の衣装を用意したうえに、頻繁に衣装を入れ替えて顧客を飽きさせない取り組みでリピート率をアップさせる試みに力を入れています。

また他にも、スタジオアリスは同じ顧客に何度も来店してもらうために前述の「Baby Shower Book」を活用しています。マタニティの日に写真を撮ると無料で貰える「Baby Shower Book」ですが、マタニティ写真を撮ると取り敢えず1枚の写真が入ることになります。これは3枚セットなので、残り2つは空きになっています。通常、空いているスペースがあれば埋めたいと思うのが人の心理といえますので、スタジオアリスではマタニティの日に写真を撮った顧客を対象に、お宮参りと百日記念撮影無料券を配布して2度の再来店を促しています。このように「Baby Shower Book」は、高い確率でリピートにつなげる戦略的な仕掛けになっているのです。

最後のページでは、写真館業界の常識を覆したスタジオアリスのビジネスモデルをご紹介します。次のページへお進み下さい!