フランス語のあなたの意味
<目次>
フランス語の主語人称代名詞って?
主語人称代名詞という言葉を使うとなんだか難しそうな感じがしますが、英語でいうところのI, You, He, She……つまり、自分で文を作るために絶対必要である主語となる名詞の代わりをする語です。英語学習を思い出してみていただければ、こうした主語人称代名詞の重要さはお分かりいただけますね。それでは、以下の表を見ながら少しずつ確認していきましょう。 基本となるのは、je(ジュ), tu(テュ), il(イル) , elle(エル), nous(ヌ), vous(ヴ), ils(イル), elles(エル)というこの8パターンです。フランス語の一人称「私」は略語に注意
それでは、フランス語の「私」にあたる je(ジュ)からみてみましょう。ここにはなぜか、jeとj’という2種類の表記がありますね。フランス語では通常はjeの方を使いますが、jeの次に母音、もしくは無音のhで始まる単語がくる場合には、j'と省略(エリジョン)します。英語のIと異なり、jeは文頭以外では大文字になりません。また、jeは唇を丸めて前へ突き出し、舌先を上あごにつけず反らせて発音します。日本語風に発音すると2人称のtu(テュ)と間違われることが多いので意識しておきましょう。次に、「私たち」を意味するnousは、話言葉ではon(オン)という不定代名詞で頻繁に用いられます。ただしその場合、意味は「私たち」という複数でも、動詞の活用は三人称単数となるので注意してください!
フランス語の三人称は「彼、彼女」や「それ、それら」の意味も含む
三人称を表すil(イル), elle(エル), ils(イル), elles(エル)ですが、これらの主語代名詞はヒトを表す、彼、彼女、彼ら、彼女らという意味のときだけでなく、男性名詞・女性名詞を表すとき、つまり「それ、それら」の意味でも使います。ilとils, elleとellesの読み方は同じであることにも注意してください。また、数の多少に関係なく、男(性名詞)+女(性名詞)=男性複数(名詞)となり、ilsを用いることも併せて押さえておきましょう。フランス語の二人称の「あなた」、tuとvousの使い分け方
フランス語の二人称には、tu(テュ)とvous(ヴ)という二つの形があります。一般には、相手が複数の場合はvous(あなたたち)を使いますが、相手が一人の場合には、家族や友人などの親しい関係の場合はtuを、そうでない場合はvousを用いるとされています。日本語の敬語の感覚でいけばいいとされてはいますが、実はこの区別はフランス人にとってもそうそう単純ではないと言えます。例えば、2007年に当時のフランス国民教育相であったXavier Darcos(グザヴィエ・ダルコス)は、「学校では生徒が先生に対してvousで話すことはindispensable (必要不可欠)であり、先生が生徒に話すときはvousを使うことがpréférable(望ましい)」と発言し話題となりました。通常では、中学、高校と進むにつれて先生はvousで話すことが普通になってきますが、最近の小学校では、先生がtuを使って話す(tutoyer)ことが多くなってきていることもあって、生徒と心を通じ合わせより深い関係を結ぶためにtutoyerする方がいい、いや先生はよき手本をみせるためにvousを使う(vouvoyer)べきだと意見は分かれます。
この小学生に対する先生の例などはtuとvousの使い分けと、話し手の哲学が深く関係していることがよくわかる例ですね。日本だと年下の上司は? ネット上では? 語学学校のフランクな年下の先生に、昔先輩だったママ友には敬語で接するべき? と悩むところでしょうか。
tuとvousの使い分けは相手との親密度合いで決まる
Tuで話す?Vousで話す?
ところで、フランス語学習者としては、動詞の発音がJeと一緒で簡単!という点からなるべくtutoyerしたいというのが本音かも。そのためにもOn peut se tutoyer ?(オン プ ス チュトワイエ ? /tu で話してもいいですか?)は、バッチリ言えるようにしておきましょう!
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