フレグランンスグラスとアトマイザー
バランタイン フレグランスグラス
わたしは古くさい飲み手で、バーで凝った演出をされることを好まない。それなのにフレグランススタイルという飲み方は親しみやすく美味しくてすぐに気に入ってしまった。
バランタイン17年の香味については「バランタイン リミテッド遂に限定新発売」の記事で触れたので、とりあえずそちらを読んでおいていただきたい。
ではフレグランススタイルとはどんなものかお伝えしよう。
使用するのは専用のフレグランスグラスとバランタインのキーモルトアトマイザー。まずは風味を感じ取りやすいワイングラスの形状をしているフレグランスグラスにかち割り氷を入れ、バランタイン17年を注ぐ。次にバースプーンでグラスに霜がつくまでステアする。
ここでまずひと口、ふた口味わう。この時点で十分にバラン17の味わいは堪能できる。しっかりとステアされているから氷がほどよくゆるんでいて調度飲み頃なのだ。以前にも書いたと思うが、オン・ザ・ロックの氷がゆるゆると溶け出した時のバラン17の甘美さはなんとも麗しい。
さて、フレグランススタイルはここからアトマイザーが登場し、より香り高い世界へと飲み手を誘う。
スプレー式の4本のミニチュアボトルがセットになっているのだが、そのうちの1本はバランタイン17年そのものが詰められている。その他の3本はバランタインの香味構成の重要なキーモルトの中からスキャパ、ロングモーン、グレンバーギーである。
スキャパ、ロングモーン、グレンバーギー
バランタイン フレグランス アトマイザーセット
スキャパのアトマイザーにはフローラルスタイルと命名されているがその通りで、グラスの内側にスキャパを吹きかけると花のような華やかな香りがフワッと広がり、味わいにも軽快さが生まれたような心地がする。
ロングモーンはトロピカルスタイルと名付けられ、1プッシュされると熟したトロピカルフルーツの甘さやピーチのようなクリーミーなコクさえも感じ取れる。
グレンバーギー。これはハニースタイル。グレンバーギーはバラン17にハチミツのような甘さをもたらすモルトの中核的役割を担っており、アトマイザーを吹きかけるだけでより甘美さが増し、リッチな気分になる。洋梨のような香りも感じられ、独特のフルーティーさも生まれるようだ。
ブレンデッドスコッチの名品バランタイン17年(撮影/川田雅宏)
ところが飲みすすんでいくうちにバランタイン17年の味わいをしっかりと堪能している自分がいる。プレミアムブレンデッドウイスキーの香味の深遠さにあらためて酔うのだった。
もしバーのカウンターで「バランタイン フレグランス アトマイザー」セットを見かけたら是非試していただきたい。わたしのように一度に4杯、すべてを味わう必要はない。2度、3度とそのバーに出かけ、その都度違うスタイルを試してみるのもいい。さて、あなたの好みのフレグランスはどれだろうか。
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