マンション物件選びのポイント/マンションの構造・耐震性

地震に強いマンション(9)耐震診断の手続き(2ページ目)

マンションの耐震性を様々な角度からチェックして、もし「充分な耐震性がない」となったら、次のステップは「耐震診断を受ける」ことです。今回はマンションの耐震診断の手続きについて取り上げます。

井上 恵子

執筆者:井上 恵子

住まいの性能・安全ガイド

管理組合の総会で決定議決

情報収集の結果、耐震診断が必要だという結論に至り、その理由や耐震診断の内容がまとまり、予算見積もりができたら、管理組合の総会にかけ、多数決を経て成立となります。成立となれば、次はいよいよ専門家の選定に進みます。

 

専門家の選定

耐震診断を受けることが決まったら、耐震診断を行う専門家を選定します。マンションの耐震診断は、構造設計を専門とする一級建築士が所属する建築設計事務所で、かつ過去に実績のあるところに依頼しましょう。一般財団法人日本建築防災協会のホームページに「耐震診断・耐震改修実施事務所一覧」「耐震診断・改修の相談窓口」「支援制度の一覧」等が載っているので参考にご覧ください。

 

マンションの耐震診断

耐震診断の検討がスムーズに進むように、設計図面や過去の増改築の履歴などを準備しておきましょう。

耐震診断の検討がスムーズに進むように、設計図面や過去の増改築の履歴などを準備しておきましょう。

耐震診断を依頼する専門家が決まったら、その専門家による現地調査が行われます。ここでマンションの理事会としては、設計図書を準備し、過去の増改築の有無や改修の履歴などを整理しておきます。理事会と専門家で耐震診断の方法を話し合い、決まればいよいよ耐震診断となります。

以上が耐震診断の流れとなります。耐震診断の結果が出ると、それを元に建物の耐震化が本当に必要かどうか検討段階に入ります。

 

住民の協力なしでは成り立たない

今回は、マンションの耐震化の一番最初のステップである「耐震診断」の一般的な流れを追ってみました。マンションの場合、耐震診断を行うにも次のステップに進むにも、全てに区分所有者の理解と合意が必要です。

耐震診断を受けてもし充分な耐震性がないと診断された場合は、建て替えを行うのか、耐震補強を行うのか、様々な検討を重ね方針を出していかなくてはなりません。どちらを選択するとしても、住民同士が協力し合って円滑に進められるかどうかは、成功のための大きなカギと言えるでしょう。

【参考サイト】
マンション耐震化マニュアル(国土交通省)
一般財団法人日本建築防災協会

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