水分の多い砂質の地盤で起きやすい液状化

液状化って?マンション選びで知っておきたい地盤のポイント

水道管は中が空洞で軽いので、液状化すると浮き上がってマンホールから飛び出してくる

液状化とは、地震で地盤がドロドロの水のような状態になり、地表面にあふれ出てくる状態のことです。市街地で液状化が起きると道路の舗装の割れ目から泥水が吹き出たり、マンホールが水道管ごと飛び出したりします。地盤が極端に軟弱になるので、建物が沈んだり傾いたりする場合もあります。

液状化が起きるのは、主に水分を多く含んだ砂質の地盤です。通常は砂の粒同士が結合し、そのすき間に水が入り込んだ状態で安定していますが、地震の揺れで砂粒がバラバラに離れると、砂が下に沈んでいきます。すると砂に押される形で水が上に吹き出し、液状化するのです。特に今回のように揺れる時間が長い地震では、液状化する範囲が広がりやすくなります。
   

自治体の液状化マップも万全ではない

液状化しやすい土地は水分の多い場所で、特に埋立地は起きやすいと言われています。ただ、埋め立てに使う土は砂の多い砂質土のほかに、より粒の小さい泥状の粘性土などもあり、埋立地だから必ず液状化しやすいというわけではありません。粘性土は液状化しにくいかわりに長い時間をかけて地盤沈下が起きやすいとされています。


具体的にどの場所が液状化しやすいかについては、自治体が作成している液状化マップが参考になるでしょう。ただ、今回の地震では液状化しにくいとされていた地区で大きな被害が出たり、逆に液状化の危険度が高いとされれていても液状化していない場所もありました。実際に液状化するかどうかは、地震の規模や揺れ方、地盤の状態などによって異なるので正確に予測するのは難しいようです。
 

今回液状化しなかった場所は液状化しにくい

液状化しやすい土地かどうかは、今回の地震で明らかになった面はあります。今回の地震では広範囲に渡って震度5以上の強い揺れに見舞われたため、多くの地域で液状化が発生しました。逆に言えば、今回液状化しなかった場所はした場所に比べて液状化しにくいということが分かります。

液状化すると地盤が固くなるという説もあるようですが、それは数百年単位で考えた場合の話です。今回液状化した地域の多くは最近50年以内に埋め立てられた場所なので、再び大きな地震が起きれば液状化する可能性は高いといえるでしょう。
 

固い地盤まで杭を打つマンションは液状化の影響が弱く傾かない

今回の地震では、液状化した場所で建物が傾くなどの損害を受けた一戸建てが少なくありません。これは一戸建ての基礎が地盤の上に乗っている状態であるため、地盤が液状化して建物を支える力が一時的になくなってしまったためです。建物を水平に戻すには数百万円程度の費用が必要だといわれており、地震保険のほかに公的な支援がどの程度受けられるかが問題になります。
 
液状化してもマンションの建物は無傷であるケースがほとんどだ

液状化してもマンションの建物は無傷であるケースがほとんどだ

ではマンションはどうかというと、建物が傾いたり損傷したといったケースはほとんどないようです。これはマンションの場合、支持層と呼ばれる固い地盤まで杭を打ち、その上に基礎をつくって建物を建てるケースが多いからでしょう。支持層より上の地盤が液状化しても、建物には影響が出ない構造です。液状化によって地盤が大きく(数メートル以上)動くと地中の杭が損傷するケースもあるようですが、今回の液状化ではそれほど大きな地盤の移動はなかったと考えられています。
 

自治体によるライフライン対策は今後の課題

今回はマンションの建物が無傷でも、上下水道やガス・電気などのライフラインが液状化によって大きく損傷し、生活に支障が出るケースが多く発生しました。特に下水道は地中深くに埋められているため、復旧するまでにかなりの期間がかかる場合もあるようです。ただ、ライフラインはマンション単体の問題ではないので、自治体などの行政が今後、どのような対策を取るかが重要だといえるでしょう。

これからマンションを買う人の中には、液状化した場所は避けたいと考える人も多いでしょう。たしかに行政による対策が確立しない段階では、購入にリスクが伴うかもしれません。でも液状化の危険が明白になった以上は何らかの対策が取られるはずですし、対策が取られてライフラインが確保される見通しさえつけば、大きな問題はなくなるとの見方もあります。
 

風評に流されず、自分の目で確認してマンションを選ぼう

液状化はできれば回避したい災害ですが、仮に発生しても建物が無事であれば命を落とすほどの危険はないでしょう。むしろ軟弱な地盤が地震の揺れを吸収し、建物のダメージを軽減した面もあるようです。

また、本当は液状化していないのに、海の近くだからという理由だけで購入の検討から外してしまうのは選択肢を狭めることになります。気になる物件があれば実際に足を運んで周囲の被害状況を確認し、モデルルームなどで危険度の高さや対策の有無について確認することをお勧めします。このような状況だからこそイメージや風評に流されずに、冷静な目で物件を見極めることが大切でしょう。

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