バルコニーでガーデニングやお茶を楽しむ

サービスバルコニーとバルコニーの違いをご存知でしょうか?

モデルルームのバルコニー例。効果的にグリーンを配し、魅力的な空間になっている。

マンションは戸建に比べ住戸面積はコンパクトになりますが、その分バルコニーなどの屋外空間も上手に取り込んで生活空間を広げる試みが行われています。

モデルルームに行くと、マンションの造り手が「このように使っていただくことを想定しています」とばかりにバルコニーにはグリーンや花があふれ、そこでお茶が楽しめるようイスやテーブルが置かれていることもしばしば。バルコニーの奥行き(下部【図1】参照)が2メートル近くあれば、そのような楽しみ方をすることは充分可能です。
 
 

サービスバルコニーのバルコニーとの違い

マンションの間取り図を見ていると「バルコニー」という表記と「サービスバルコニー」という表記が混在していることがあります。
 
【図1】バルコニーとサービスバルコニー。バルコニー先端に逆梁がある時はその部分は使えないので注意(クリックで拡大)。

【図1】バルコニーとサービスバルコニー。バルコニー先端に逆梁がある時はその部分は使えないので注意(クリックで拡大)。

 

その二つの大きな違いは「人がそこで作業ができるスペースがあるかないか」だと思ってください。「バルコニー」と表記されていれば、奥行きは最低1メートル以上、現在の新築分譲マンションなら1.5~2メートル程度はあり、洗濯ものや布団を干したり、ガーデニングもできるような広さがある物件が多くなっています。

サービスバルコニーとは小さいバルコニーのこと

「サービスバルコニー」と表記されている部分は奥行きが1メートル以下と浅く、人が何か作業をする場という想定はなく、空調室外機を置くか、なにか物を置く程度の場として設置されています。従って、日当たりのよい場所に設けられることもほとんどありません。しかし、マンションで「物が置ける」というのは大きな利点。窓の庇としての役割や、子どもの落下防止という観点からも、あった方がよい施設の一つです。

 

理想的なバルコニーの奥行きは?

バルコニーはあまり奥行きがあると窓の上にそれだけ深い軒があるのと同じことになり、部屋の日当たりに影響が出ます。奥行きが1.8~2メートルもあればバルコニーとして空間的にゆとりを感じることができ、部屋の日当たりにもあまり影響がない範囲ですので、その程度あれば充分ではないかと思います。
 

バルコニーにあったらよい設備

SKとはスロップシンクのこと。あると便利な設備のひとつ。

SKとはスロップシンクのこと。あると便利な設備のひとつ。

バルコニーでガーデニングを楽しむなら、ぜひ欲しいのはSKという流しです。

SKはガーデニングの水やりはもちろん、子どもの上履きを洗ったり、泥つき野菜を洗ったりと、あると重宝する設備の一つです。
 

ルーフバルコニーとバルコニーの違い

ルーフバルコニーとはその名の通り、下階住戸の屋根を利用した、面積の広いバルコニーのことをいいます。ルーフバルコニーの上に屋根はありません。建物が「セットバック」した部分を利用してバルコニーを設けています。

 

周辺地域に配慮して設けられたセットバック

建物のセットバックはなぜ生じるのか、その理由のまず一つ目として、周辺地域への配慮があります。マンションのような大規模の建物は、それが建つことによって周辺地域に大きな影響を与えます。従って、日当たりや通風に配慮し、住みやすい環境を周辺地域が維持できるように、様々な高さ制限を受けています。
 
斜線制限によってセットバックした部分に設けられたルーフバルコニーの例。

斜線制限によってセットバックした部分に設けられたルーフバルコニーの例。


例えば、前面道路斜線、隣地斜線、北側斜線、高度地区による斜線制限、絶対高さ制限、日影斜線など。人が住むことを前提としている住居専用地域ほど厳しく、そうではない商業・工業地域ほど緩くなっています。
 

下階にはない!? ルーフバルコニー

斜線制限を受けているマンションでは斜線制限ラインをかわすような形で、上階に行くに従って段々と建物を後退させています。従って、このタイプのマンションでは下層部にはルーフバルコニーがなく、上階にいくとルーフバルコニーが出現する形となります。

斜面地マンションのセットバック

もうひとつ、斜面地に建てられたマンションに設けられるルーフバルコニーがあります。斜面地(=山の傾斜)に従って、階ごとに段々とセットバックしながら建てられます。従って、このタイプのマンションでは下階からどの住戸も同じようなルーフバルコニーを設けていることが多いようです。

 

魅力的なルーフバルコニー付住戸

ルーフバルコニーは面積が広く、屋根がなく、設けられた方位が北でなければ日当たりも期待できて、専用使用できる魅力的なスペースです。プランターを用いた簡易なガーデニングや、ウッドデッキを敷いてイスやテーブルを置くことももちろん可能です。思い描いたようなガーデニングスペースをつくる楽しみがあります。
 

ルーフバルコニーでガーデニングを楽しむ。床にはウッドデッキを敷いてプランターで植物を育てている。

ルーフバルコニーでガーデニングを楽しむ。床にはウッドデッキを敷いてプランターで植物を育てている。

 斜面地マンション以外では、ルーフバルコニーは一般的に住棟の端に位置する住戸につけられることが多く、そのような住戸は人気が高く、売り手側も住戸面積を他より広く設定するなど付加価値をつけ、やや高めの値段設定で売り出すことが多いようです。

 

気軽にガーデニングを楽しみたいシニアにも人気

ガーデニングをしたいけど戸建て住宅では負担が多い、というリタイア後の世代にもルーフバルコニー付住戸は人気があります。ガーデニングを希望する場合は前述したSK(流し)がついていることは必須条件ですので確認するようにしてください。

ルーフバルコニーは共用部

注意したいことは、ルーフバルコニーは専用使用権がありますが、専有部分ではなく共用部であるということ。つまりマンション住民全員の財産であるということです。何をしても許されるという場ではなく、勝手に土を入れて庭園をつくったり、サンルームを設けたりすることは基本的にできないことになっています。また、下階は他住戸となっていることから、音の問題にも充分注意が必要です。

 

バルコニーでガーデニングを楽しむ時の注意点

バルコニーやルーフバルコニーにウッドデッキやタイルを敷き詰める時は、避難設備である避難ハッチの周辺は避け、なにも敷かないようにしてください。

また、隣戸バルコニーとの間にある隔て板は、万が一の災害時に蹴破って人が移動するためにわざと壊しやすい材質で作られています。隔て板の前に、物置など重くて移動しにくいものを置かないようにしましょう。

小さなお子さんがいる家庭では落下防止のために、手すりの近くにイスやプランター、ラティスなど足がかりとなるものを置かないようにしてください。

 

モデルルームでバルコニーの使い方をチェック

バルコニーの使い方を工夫し、生活に楽しさを

バルコニーの使い方を工夫し、生活に楽しさを

様々な決まり事はありますが、マンションに住んでいながら緑を育てたり、日向ぼっこしたり、景色を眺めたりとバルコニーはとても魅力的な空間です。

マンションを購入する時には「(限られた空間で)いかに生活を楽しむか」「楽しめる仕掛けがあるか」など、住宅の内部空間だけでなく外部空間もチェックしてみましょう。例えば右の写真はある新築分譲マンションのモデルルームのバルコニーですが、壁面緑化がしやすいように、天井にネットを吊るすフックがついています。

モデルルームではバルコニーの奥行きや幅が使いやすいかどうかなどを、ぜひ体で感じてきてください。 

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