性ホルモンの働き
生理周期と性ホルモンの分泌量がわかったところで、それぞれのホルモンの働きについて具体的に見ていきましょう。(1)エストロゲン(卵胞ホルモン)
女性らしさのホルモンです。分泌は思春期ごろから始まり、肌を潤し、ボディラインが女性らしい丸みをおびたラインになります。乳腺の発達で胸が大きくなります。髪にツヤが出たりするといった美人効果があります。エストロゲンの作用により、女性が美しくなるのには理由があります。動物のメスが交尾の時期になるとフェロモンを撒き散らすのと似ていて、人間の女性も自分を綺麗に見せることで男性を受け入れようとしているのです。
(2)プロゲステロン
一方、排卵後に活躍するホルモンがプロゲステロン(黄体ホルモン)です。プロゲステロンは、皮脂の分泌量を増加させるホルモンです。この時期には、特に皮脂分泌の多いTゾーンでニキビができやすくなります。また、人によっては、プロゲステロンが、腰痛や便秘。胸の張りなどの不快な症状を引き起こすこともあります。生理前に起こるこれらの症状を「PMS」と呼んだりします。PMSの症状は人によって異なりますが、イライラしやすかったり、けだるくなったりすることもあります。
ホルモンバランスの崩れ
夜更かししたり、少し無理を続けると、ホルモンバランスは簡単に崩れてしまいます。また、ストレスによっても、ホルモンバランスは容易に乱れてしまいます。ホルモンバランスの乱れは、体にさまざまな異常をきたします。肌荒れする、吹き出物ができやすくなる、というのが多い症状ですが、その他では、「生理痛がひどくなる」「生理が来ない」「不正出血がある」などの症状が出現します。ちょっとしたことでイライラしやすくなったり、食欲がなくなったり、逆に食欲が旺盛になる人もいます。
ホルモンバランスが崩れていることは、自分ではなかなか気づきにくいものです。できれば、特に婦人科系トラブルがなかったとしても、基礎体温は毎日つけるようにしましょう。
何か症状が出てから基礎体温をつけるのではなく、健康な状態を把握しておくこともとても大切です。「未病」という言葉がありますが、症状が出る前に、健康な状態をキープすることを常に心がけましょう。適度にストレス転換をしたり、規則正しい生活を心がけるようにすることはとても大切です。