ココナッツの殻でチャコール
ブルガル ブランコ
ドミニカ共和国のあるイスパニョーラ島では、16世紀初頭にはサトウキビのプランテーションがおこなわれていたそうで、いまでも上質なサトウキビ産地だ。
「ブルガル」の原料は100%ドミニカ産のサトウキビ。「ブルガル ブランコ」は2回蒸溜を経た原酒をホワイトオーク樽で12~16ヵ月間熟成する。そしてここで3回のチャコール濾過をおこなう。濾材はなんとココナッツの殻(繊維質の厚い外皮)を炭化しものだという。あの外皮は、たしか太くて強いロープとかになるはずだ。
それを知った途端に、なんともカリブの島らしくて好ましく、ココナッツ炭(こんな表現をしていいものかどうかわからないが)というワードがアタマの中でステップを刻み、ドミニカ発祥の音楽、陽気で軽快な2ビートのメレンゲ(merenngue)が耳の奥で響きはじめた。
この3回濾過によって、「ブルガル ブランコ」はすっきりとした、ドライな切れ味を生んでいる。
わたしにとっては“メレンゲが聴こえるブランコ”のイメージだが、カクテルベースでどんな活躍を見せてくれるかは、発売後にバーテンダーと遊んでみなくてはわからない。おそらく甘いフルーツジュースと合わせればだいたいはいけるだろうが、いま人気のモヒートはもちろん、ラム・ジュレップ、ダイキリ、ネバダ、キューバ・リバーなどいろいろ試してみたい。愉しみだ。
アネホのブレンドもしなやかな切れ味
ブルガル アネホ
2回蒸溜後、ホワイトオーク樽で2~5年熟成した原酒を、ブルガル社のラム・エキスパートが長年培った熟練の技を駆使してブレンドしている。ダークラム特有のカラメル様とともにウッディな感覚も潜んでいる。こちらも全体の印象としてはドライでしなやか。
さて、この秋、バーに出かける愉しみができた。
ウイスキーファンの皆さんは是非とも一度は「ブルガル 1888」を試して欲しい。マッカランがパートナーとして開発したプレミアムラムとはどんな風味を抱いているのか、カウンターでじっくりと堪能してみていただきたい。
もちろん自宅で1888やアネホをストレートやロックで味わうのもいい。ブランコもコーラだけでなくジュースやジンジャーエールなどで気軽に割ってもいい。
カリブ海エリアで最も人気の高いラムの風味はどんなものか。首を長くして10月23日をお待ちいただきたい。
関連記事
カクテル基礎知識/調整用語カクテル基礎知識/技法用語
カリブの酒と恋の刻印
バーの酒と氷/なぜストローは2本か