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今すぐできる、マンションの資産価値を高める方法(2ページ目)

立地重視の物件選びに変化の兆しが見て取れる。省エネが日常化するとともに、高齢化も伴って、利便性の持つ意味合いはさらに濃くなるのだが、一方で、「管理とコミュニティ」が今後中古マンション検討時に重要視されはじめる。なぜなら、耐震性や防災への取り組みが関心を持たれ出したこと、そして好立地同士の競争に差をつける要素が必要とされるからだ。いますぐできるマンションの資産価値向上策を考えてみた。

坂根 康裕

執筆者:坂根 康裕

高級マンションガイド


情報開示が鍵

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さて、ここまでくれば資産性向上の秘訣はだいたい想像ができるはず。そう、「情報開示」である。管理組合の理事会や総会の議事録、修繕履歴といった管理の実態を調べよう、とは中古マンション選びのいまや基本といわれているが、黙っていても提示してもらえる商慣習にはまだなっていない。自信のある組合は積極的に共有することがメリットにつながるはずなのに。

建物の性能も然り。例えば、省エネに大きく関係する窓。複層ガラスなのか、単板ガラスなのかは重要なポイントだが、その程度は今の時代、聞かれる前に開示しておいてほしいもの。仮に単板ガラスならば、サッシュ交換の手続きも併記されているとマイナスイメージの緩和につながると思う。

資産価値を維持するのは、「恒常的な需要」である。「そこに住みたい思い」が源泉なのだ。そのためには、しかるべき情報提供が欠かせない。苦労せずとも勝負できたのは、都心部のマンションがあまねく希少性を帯びていた頃のこと。強力なライバルの出現が止まない今、的確な情報開示なしに資産性は維持できないだろう。

概要データではわからない魅力を伝えるには

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こんな事例がある。港区のとあるタワーマンションの管理組合では、分譲購入者や賃貸入居者にアンケートを取り、物件を買った(あるいは借りた)理由を集計し、自分たちのマンションのアピール材料として使っているという。つまり、「実際に暮らしている人の感想を伝えることで、新たな需要を呼び込み、長期的な資産性の維持につなげたい」と取り組んでいるのである。

取引事例も有効なデータになる。いまは仲介会社からしか手に入らない印象が強いが、日本の不動産市場の不透明性は長年の課題ともいわれている。数年先には、もっとオープンな情報になりうるかもしれない。

手軽に提供できる情報はもっとある。徒歩何分にスーパーがあるかは、地図を見れば誰でもわかるが、生鮮食品はどこが新鮮か、おトクなのはどの店か。学校の評判も住んでる人が一番よく知っているはずだ。防災訓練の参加状況、自然発生的なイベントなども中古だから発信できる貴重なネタではないだろうか。

近い将来、既存マンションがホームページを作り、積極的に情報開示していくことが当たり前の時代になるだろう。あなたが住むマンションはコンテンツがありすぎてまとめるのが大変か、それとも何を載せればよいのか分からない、数ページで事足りてしまうのか。情報開示が資産価値を左右する。そんな時代が意外に早く訪れそうな予感がする。

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「既存マンションのホームページ」のあるべき姿
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