シンプルだけどひとあじ違う、本場のチーズフォンデュ
ほっこり温まるスイスの郷土料理、チーズフォンデュ
専用の鍋に数種類のチーズを入れ、白ワインやキルシュ(蒸留酒)などを加えて火にかけ、パンを絡めていただきます。レシピは実にシンプルですが、店によって結構個性が表れるのも面白いところ。日本に比べるとアルコールがきつく感じることも多いかもしれません。チーズはエメンタールとグリュイエールを使った「フォンデュ・ヌシャテロワーズ」が定番ですが、グリュイエールとヴァシュラン・フリブジュワを半分ずつ混ぜた「モワティエ・モワティエ」も人気です。
チーズ以外にも、いろいろなフォンデュがあります。串にさしたサイコロ型の牛肉を油であげるオイルフォンデュ(ミートフォンデュ)は「フォンデュ・ブルギニオンヌ」(ブルゴーニュ風フォンデュ)と呼ばれますが、その名に反してスイスの料理。材料の牛肉にブルゴーニュ原産のシャロレー種の牛を使ったことが名の由来のようです。また、薄く切った肉をコンソメスープにさっとくぐらせて、ソースや薬味で食べる「フォンデュ・シノワーズ」(中華風フォンデュ)は、スイス版しゃぶしゃぶです。
ちなみにオイルフォンデュのイタリア版といえるのが、「バーニャカウダ」。“熱いソース”を意味するピエモンテ州の料理です。アンチョビ、オリーブオイル、ニンニク、バターで作ったソースを火にかけ、野菜を浸して食べるもので、とくに冬に好んで食べられています。
<冬こそ食べたい! 世界の鍋料理>