ブテチゲ、タッカンマリ／韓国

食べ始めると止まらない！ 韓国の絶品鍋

最近は「チゲ」という言葉が日本でもポピュラーになってきました。チゲとは韓国語で「鍋」のこと。なので、よく聞く“チゲ鍋”という言葉は直訳すると「鍋鍋」になってしまいますね。余談ですが。

定番のキムチチゲ、味噌汁のようなテンジャンチゲ、豆腐を使ったスンドゥブチゲなど、チゲは種類も豊富です。韓国のチゲは一人用の小ぶりの鍋で供されるのが一般的ですが、なかには後で紹介するブテチゲのように大鍋タイプもあります。寄せ鍋スタイルの大鍋は韓国では「チョンゴル」と呼ばれ、そのほかにスープを意味する「タン」という鍋もあります。サムゲタン（鶏のスープ）のようなシンプルなスープからカムジャタン（ジャガイモ鍋）のような大鍋まで、こちらも多種多様です。

みんなで囲むタイプのチゲといえば、「ブテチゲ」。漢字で書くと部隊鍋。その字が表すように、もともとは軍隊から始まった鍋です。戦後、アメリカ軍から流出した安価なスパムやソーセージを鍋に入れたところ、意外なほどに美味だったため、一般の人たちにも広がったとか。特長はなんといってもそのジャンクな味。ソーセージや餅のほかに、インスタントラーメンも入り、チーズのトッピングがよく合います。

そのほかに個人的にオススメしたい鍋が「タッカンマリ」（※タッハンマリとも）。タッカンマリとは、韓国語で「鶏一羽」という意味。その名のとおり、鶏を丸ごと一羽使った豪快な鍋です。雰囲気としては鶏の水だきにも似ていますが、もっと濃厚。何時間もじっくり煮込んだスープには鶏の旨味がたっぷり溶けだし、さらに漢方や野菜など店オリジナルの味付けが加わって、サラリとしながらも実に奥深い味わいに仕上がっています。スープだけで全部飲みほしたくなるほどですが、シメのうどんまできっちり楽しみたいところです。
＜冬こそ食べたい！ 世界の鍋料理＞

• 火鍋（中国、香港、台湾）
• タイスキ（タイ）
• スチームボート（マレーシア）、その他アジアの鍋　
• チーズフォンデュ（スイス）
• タジン（モロッコ）、カタプラーナ（ポルトガル）
• ブテチゲ、タッカンマリ（韓国）