マーケティング/マーケティング事例

SONYはチャレンジャーか?フォロワーか?(3ページ目)

SONYがiPod追撃を目指してウォークマン最高峰のXシリーズを投入した。かつて携帯音楽プレーヤーで圧倒的なリーダーの座に君臨していたSONYであるが、果たしてトップの奪取なるか?その戦略に隠されたものとは?

安部 徹也

執筆者:安部 徹也

マーケティング戦略を学ぶガイド

SONYの取るべきチャレンジャーの戦略とは?

ipod
チャレンジャーは『差別化』によってトップを目指す
SONYは携帯音楽プレーヤー市場においてマーケットシェア3割以上を占める非常に強力なチャレンジャーと言える。首位Appleとの差は20%弱である。

SONYがこの市場でマーケットシェアトップを目指すのであればチャレンジャーの戦略を採用すべきだ。

チャレンジャーの目標はシェアを拡大してトップを奪取することにある。ただ、正面切ってリーダーに戦いを挑んでも、通常リーダーの方が圧倒的に優位な立場の場合が多く、返り討ちに遭う可能性が非常に高い。そこでリーダーとは違った製品を市場に投入してシェアを獲得していくことがチャレンジャーに適した戦略と言える。リーダーと『差別化』を行うということがチャレンジャーの戦略の要諦だ。

また、チャレンジャーは市場で2番手なので、下位企業が多数存在する。リーダーに向かっていくよりは、自社よりも弱い企業を叩く方が顧客を獲得できる可能性が高いということを考えれば、自社よりも下位企業を攻めて顧客を奪い取り、マーケットシェアの拡大を図るという戦略も重要になる。

チャレンジャーはこのようにリーダーが極力真似できない独自性のあるビジネスモデルを構築し、下位企業を攻めながらマーケットシェアの拡大に努めるのが定石となる。

果たしてSONYはチャレンジャーの定石通りに徹底的に差別化した戦略でApple追撃態勢に入ったのか?

次ページではSONYの戦略を検証する前に、ゲーム機市場で起こったリーダーの交代劇を振り返り、競争上の地位に応じた戦略のセオリーを確認していくことにしよう。
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