マーケティング/マーケティング事例

SONYはチャレンジャーか?フォロワーか?

SONYがiPod追撃を目指してウォークマン最高峰のXシリーズを投入した。かつて携帯音楽プレーヤーで圧倒的なリーダーの座に君臨していたSONYであるが、果たしてトップの奪取なるか?その戦略に隠されたものとは?

安部 徹也

執筆者:安部 徹也

マーケティング戦略を学ぶガイド

遂にベールを脱いだiPodの追撃を目指すSONYの戦略製品“Xシリーズ”

ipod
携帯音楽プレーヤー市場で圧倒的な人気を誇るAppleのiPod
今や私達の生活に欠かすことのできなくなった携帯音楽プレーヤー。

多くの企業から様々な機種が発売されているが、このマーケットで首位を独走するのがご存じAppleのiPod。調査会社BCNによれば、2009年3月時点の国内シェアはAppleが50.1%、SONYが32.3%と両社で市場の8割以上を握る(リンク先のデータを見るにはBCNの会員登録が必要)。

もともと携帯音楽プレーヤー市場は世界的に見てもSONYのウォークマンの独壇場であった。1979年に初めて発売されるや、いつでもどこでも音楽が聴ける携帯性が受け、全世界で爆発的なヒットを記録。『ウォークマン』は携帯音楽プレーヤーの代名詞となる。

ところが、SONYは後にデファクトスタンダードとなるMP3プレーヤーに乗り遅れ、Appleにその盟主の座を奪われることになる。その立役者がiPodというわけだ。

ただ、かつての盟主のSONYもAppleの快進撃を指をくわえて見ているわけではない。携帯音楽プレーヤー市場で再びトップに君臨することを虎視眈々と狙っているはずだ。

そして今回SONYが盟主の座を奪還するために満を持して市場に投入する戦略製品が“ウォークマン史上最高峰シリーズ”と銘打ったXシリーズ。

SONYによれば「100万円程する高級オーディオと同じ性能のアンプを内蔵している」というくらい音質には絶対の自信を持つ。また、最近流行の画面に触れて操作するタッチパネルをウォークマンとして初めて採用。表面のボタンは下部に一つだけというシンプルなデザインにまとめた。

果たしてSONYはこのXシリーズでAppleから携帯音楽プレーヤーの盟主の座を奪還できるのか?

今回は競争上の地位に応じたマーケティング戦略の観点からSONYの挑戦を検証していこう。
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