マーケティング/マーケティング事例

SONYはチャレンジャーか?フォロワーか?(2ページ目)

SONYがiPod追撃を目指してウォークマン最高峰のXシリーズを投入した。かつて携帯音楽プレーヤーで圧倒的なリーダーの座に君臨していたSONYであるが、果たしてトップの奪取なるか?その戦略に隠されたものとは?

安部 徹也

執筆者:安部 徹也

マーケティング戦略を学ぶガイド

携帯音楽プレーヤー市場においてリーダーの座に君臨するAppleの戦略とは?

ipod
コトラー教授によれば、リーダーの戦略は『全方位化』
iPodを擁してリーダーの座に君臨するAppleはその地位を確固たるものにするためにどのような戦略を取るべきだろうか?

マーケティング戦略の権威であるコトラー教授によれば、リーダーはトップの座を維持するために、市場シェアの拡大や市場規模の拡大がリーダーの主要な目標となる。

このようなリーダーの戦略は『全方位化』だ。これはライバル企業を包み込んでいく作戦になる。

Appleの場合、たとえば、SONYがユニークな商品を市場に投入して差別化を図ってきた場合に、その模倣商品をすぐさま投入し、『同質化』を図っていくということだ。

かつて松下電器は“マネシタ電器”と揶揄されていた。これはチャレンジャーであるSONYがこれまで市場には無かった新たな製品を開発・投入した際に、すぐさまその製品を模倣し、市場に投入してチャレンジャーの市場を奪い去っていたことに基づくが、松下電器は『同質化』という将にリーダーに相応しい戦略を採用してリーダーの座を死守していたのである。

また、リーダーというのは経営資源も下位企業に比べて豊富なので、経営資源にモノを言わせて、最新鋭のシステムを導入するなどコスト削減を図って、コストリーダーシップを確立する戦略も有効だ。コストリーダーシップにより、利益率が更に向上し、業界での地位を更に安泰させる投資が行えるという好循環も生まれる。

実際にAppleのiPodはそのブランド力から高いというイメージがあるが実際のところ、コストリーダーシップを発揮して同じ機能を持つ携帯音楽プレーヤーに比べて決して高くはない価格設定が行われている。

リーダーのAppleが『全方位化』戦略でリーダーの地位を盤石にする戦略に出るならば、チャレンジャーのSONYの戦略はどうなるのか?次のページではチャレンジャーの取るべき戦略を紹介しよう。
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