営業のノウハウ/営業の目標・売上管理・顧客管理

着実に目標達成する2つの論理的アプローチ

新年度の営業目標をあなたはどうやって達成しますか。やみくもに行動基準や見込み客をリストアップするのではなく、着実に目標達成するための、論理的アプローチの方法を2種類お教えします。

西野 浩輝

執筆者:西野 浩輝

営業ノウハウガイド

小目標の積み重ねが大目標を達成させる

誤った目標設定では成果は得られない
今年も春がやってきました。街を歩いていると、いかにも真新しいスーツに身を包んだ新入社員を目にします。彼らのフレッシュな姿を見ていると、こちらまで「がんばらなくては」という気持ちになりますよね。

そんな新入社員からもらった刺激をバネにして、みなさんも新たに目標を立ててみてはいかがでしょうか。といってもみなさんはすでに会社から、「今年度の売上目標」や「利益目標」などのノルマを与えられていることでしょう。

こうした「大目標」を達成するためには、「毎月の目標」や「毎週の目標」、「毎日の目標」といった「小目標」を適切に設定することがカギを握ります。小目標の積み重ねこそが、大目標の達成につながるのです。

そこで今回は、「今年度の売上目標」や「利益目標」といったゴールに最終的に到達するために、日々の営業活動のなかでの具体的な目標設定をどのように行えばいいのか、そのコツについてお話ししたいと思います。

キーワードは「ブレークダウン式アプローチ」と「リストアップ式アプローチ」です。

大目標から具体的目標へ、やるべきことをブレークダウン

最初にちょっとしたシミュレーションゲームをしてみましょう。みなさんがA商事の社員だったとします。今年会社から与えられたノルマは、年間売上1億2000万円。さて、そこで質問です。

「年間売上1億2000万円を達成するために、あなたは毎日テレアポの電話を何件かけなくてはいけないでしょうか」

答えを導き出すための計算の仕方は、すごく簡単です。ブレークダウンしていけばいいだけの話です。

実際にやってみましょう。

  • 年間の売上目標は1億2000万円ということは、月間の売上目標は1000万円。
  • あなたの1件あたりの平均受注金額は500万円。月間売上目標1000万円を達成するためには、月2件契約を成立させることが必要。
  • あなたの契約成立率は、提案5件に対して1件の割合。月2件の契約を達成するためには、月10件の提案をすることが必要。
  • あなたが訪問から相手先担当者への提案にまで持っていける確率は5件に1件の割合。月10件の提案をするためには、月50件の訪問をすることが必要。
  • あなたがテレアポから相手先への訪問にまで持っていける確率は10件に1件の割合。月50件の訪問をするためには、月500件のテレアポをかけることが必要。
  • あなたは1カ月に約20日間働いている。月500件のテレアポをかけるためには、毎日25件のテレアポをかけることが必要。

では、答えです。

「年間売上1億2000万円を達成するためには、毎日25件のテレアポの電話をしなくてはいけない」

となります。

もちろん平均受注金額や契約成約率、アポイントがとれる確率は、業種や会社、扱っている商品、営業マンの力量によって違ってきます。でも「年間売上」という大きな目標設定を「テレアポ」という具体的な目標設定に落とし込んでいくための計算の仕方は、どんな業種やどんな商品を扱っていても同じです。

これがブレークダウン式アプローチです。

目標達成のために、やるべきことをリストアップ

さて、みなさんは「年間売上1億2000万円を達成するためには、毎日25件のテレアポの電話をしなくてはいけない」ことがわかりました。次に考えなくてはいけないのは、どんなお客さんにテレアポをかけるかということです。

電話帳を見て、片っ端からテレアポをかけていく方法もありますが、ほかにもやり方があるはず。そこで、どんなやり方があるのかをリストアップしてみるのです。

すると、
  • お客さんに知り合いの方を紹介していただき、その方にテレアポをする
  • セミナーや展示会に来場していただいた方にテレアポをする
  • 昔、商品についての問い合わせをいただいたことがある方にテレアポをする
  • 帝国データバンクの会社情報や『会社四季報』などを見て、テレアポをする

などを思いつくはずです。もっと考えれば、ほかにもやり方が見つかるかもしれません。こうしてリストアップをしたら、どれか一つのやり方に偏ることなく、バランスよくテレアポをしていきます。あの手この手を使って、テレアポをしていくのです。これがリストアップ式アプローチです。

ブレークダウン式アプローチとリストアップ式アプローチによって、毎日、毎週、毎月の目標をクリアしていけば、必ず年間の最終目標を実現できるはず。ぜひみなさんが具体的な目標設定をするときの参考にしてください。


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