コーチング/コーチング基本知識

コーチングの基本2 個別対応する(4ページ目)

コーチングの3原則の2つめは「個別対応」。人は一人ひとり違います。その違いを知り、適切に個別対応することでコミュニケーションは円滑になり相手のパフォーマンスは上がります。

平野 圭子

執筆者:平野 圭子

コーチングマネジメントガイド


学習スタイルを活かすコツ

コーチング三原則
相手の学習スタイルによって、アプローチする方法を工夫してみる
学習スタイルは、普段のコミュニケーションに活かすことができます。たとえば、全体像を捉えてから把握する視覚系の人には、「最初にかくかくしかじかで、次はこれこれで……」と詳細について長々と話すのは効果的ではありません。図や絵を書いたメモを渡したほうが有効です。

人は、無意識に自分の学習スタイルを基準に相手と接しています。聴覚系優位の人が、触感覚系の人に言葉だけで説明しても伝わりにくいのです。「何回も言ったのになぜわからないんだ!」と憤慨しても仕方がありません。まず、自分のスタイルを把握した上で次は相手のスタイルに意識を向け、その人に受け取りやすいアプローチをすることです。それぞれのスタイルへの関わり方は、以下を参考にしてみてください。

各学習スタイルの関わり方

■相手が聴覚系の場合
会議室などなるべく静かなところで話をする。話すときのトーンや声の調子が相手にどう響くかに気をつける。話したことを繰り返してもらうなど、話し合いに参画させる。「どんな話が聞ければいい?」という言葉で相手の理解を確認する。

■相手が言語感覚系の場合
話の目的を最初に明確にし、それに関連づけながら話す。言葉の定義を明確にし、相手が理解しているかどうかを共有しながら話す。使っている言葉の意味を確認し、理解の齟齬が起きないように注意する。「どう考える?」という言葉で相手の理解を確認する。

■相手が触覚系の場合
説明するより、まずやらせる。「とりあえずやってみよう」という言葉がヒットする。自らの体験談などを加えながら、聞いてるなかで疑似体験できるような伝え方をする。「どう思う? どう感じる?」という言葉で、相手の理解を確認する。

■相手が視覚系の場合
全体像を話してから具体的な話をする。図やフローチャートなど絵に書いて説明する。状況が思い浮かべられるように、イメージできるようにする。「どんなことが見えてきた?」という言葉で相手の理解を確認する。

コーチ型マネジャーに必要なのは、相手が高いパフォーマンスを上げられるように関わることです。学習スタイルは個別対応のごく一部です。相手の特徴を把握し、相手が受け取りやすいアプローチを取ることで、目的は早く達成され、その人の力をより発揮させることができます。


■コーチングの3原則


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