コーチング三原則
部下に話しをさせている。それがコーチ型マネジャーの特徴
コーチングは、部下一人ひとりの能力を発揮させるとても効果的なアプローチです。しかし、コーチングを単に「コミュニケーション・スキル」と捉えてしまうと表面的なやりとりだけで終わってしまい、部下のパフォーマンスを継続的に上げることにはつながりません。

相手のパフォーマンスを上げる行動を促すには、コミュニケーションのみならず、相手の物事の考えかたを把握したり、物事の捉え方の傾向を知ったり、接し方を工夫したりと、総合的な関わり方が必要です。

コーチ型マネジメントは3原則が大事

コーチ型マネジメントを実践するには、なにはともあれコーチングの3原則を理解することが肝心です。この3原則とは「双方向コミュニケーション」「個別対応」「継続的なフォロー」です。この3原則を知らずにコーチング「のようなもの」を実践している人がいますが、それはエンジンを搭載せずに張りぼての車を走らせていることと同じです。今回は「双方向コミュニケーション」について解説します。

なぜできないの? 部下との会話

部下と会話を交わすことが大事。これは誰もが知っていることですが、実際にできているかどうかは別の話です。なぜできないのか? それは、部下を育成する関心と観察力がないため、会話を交わす必然性を感じていないのです。

あなたは今、隣にいる部下に対してやる気を高揚させる一言を投げかけられるでしょうか? 何を言おうかと一瞬でも考えたとしたら、あなたの部下への関心と観察に要注意です。

自発的な行動を促す双方向コミュニケーション

こちらから指示しなくても部下が自発的に行動することは、どんなマネージャーも望んでいます。でも、反対に部下の行動を必要以上に管理し、動けなくさせているのもマネージャーなのです。

人が行動を起こすには、一定以上のコミュニケーションの量、例えば打ち合わせや会議でまとまって話すことだけでなく、毎日3分間でも進捗を確認しあうような継続的なコミュニケーションが必要です。

職場でよく起こっていることは、双方向のコミュニケーション「のようなもの」です。それは、話し手と聞き手の両者がいるのではなく、両者が話し手になっているのです。自分が話し、相手が話し、自分が話し、相手が話す、と両者が交互に話し手になっており、聞いている人は誰もいない、という状況です。

「でも」「私が言いたいのは」「そうじゃなくて」という言葉はその典型。「あなたが言ったのは、こういうことですね」「今、○と言ってるように捉えましたが間違いないですか」と、受け取ったことをきちんと伝えること。これが双方向のコミュニケーションのスタートであり、「あなたの話を聞いているよ」というメッセージを伝えることになります。

あなたから一方的に話したいことを話すコミュニケーションと、相手の考えやアイディアをもとに話し合う双方向のコミュニケーション。

今のあなたのコミュニケーションの割合はどれくらいですか? あなたが双方向のコミュニケーションに取り組み、部下と会話の量が増えたらどんな効果や変化が生じますか? ふだんの生活や部下との関わりを想像してみてください。