昔は何をおいても仕事優先が当たり前でしたが、今はプライベートを優先する若い人も増えています。上司としては部下に残業してもらいたい状況もありますが、そんな時コーチングはどんなふうに活用できるのでしょうか?

《CONTENTS》●怒鳴るよりもコーチング?(1P目)●コーチングできない場合もある(1P目)●上司・部下の利害関係を超える(2P目)●部下ではなく自分自身をコーチング(2P目)


怒鳴るよりもコーチング?

残業よりもデート優先……
大事なお客様への納品が終わって、「やれやれ」とホッとしていた営業課長のAさん。ところが、そのお客様から緊急の追加注文の電話が入りました。明日の朝までになんとか手配しようと、部下のBさんに協力を求めたところ、返ってきたのはこんな答え。

「今夜はデートがあるので残業できません」

当然仕事優先と思っていたAさんは、「何を考えているんだ!」とBさんを怒鳴りつけたくなりましたが、そこはグッとこらえました。

「そうだ。こんなときこそコーチング。どうすればいいんだろう? どんな質問をすればいいのだろうか? 部下の中に答えがあるはずだ。でもどうすれば……」

コーチングできない場合もある


コーチングを知った上司が、部下に何か頼みたいときや、何か言いたくなったときに、「質問のかたちにしなければ」とか「相手の話を聴かなければ」と四苦八苦されることがあります。どうすればいいのでしょうか?

実はこんなとき、コーチングをやってはいけません。部下に何かの質問はできるかもしれませんが、カタチばかりでコーチングになりません。なぜなら、上司が向き合っているのは「部下」ではなく「上司自身の問題」だからです

例えば、上の例では「今晩、納品の手配を完了する」という課題が上司の一番気になっていることです。その課題にからんで、たまたま部下が出てきただけです。上司の目の前にあるのは「部下」ではなく、「上司の課題」なのです。コーチングとはあくまでも「人」を対象にしたコミュニケーション手法であり、何かの課題を解決するための問題解決手法ではありません。

こんなときに無理にコーチングをやろうとしても、逆に部下との関係がこじれてしまいます。

「それなら、どうすればいいの?」という上司の方は 次ページへ>>