文字どおり「コーチングの基本を知ろう!」ということで、コーチングの基本について解説していきます。第1回目はスポーツを例にとりながら、コーチングの特徴の一つである「教えない」コーチについて紹介します。

《CONTENTS》●正しい技術を教えるのがコーチ?(1P目)●教えるほどダメになっていく(1P目)●教えないコーチは何をする?(2P目)●自分の現状を知れば変わり始める(2P目)●セールスでは「見込み客の縫い目を見る」(3P目)●教える上司・教えない上司(3P目)

“コーチ”といえばスポーツですが……
この「コーチング・マネジメント」のサイトでは、ここ最近注目されている「コーチング」を「マネジメント」に活用するという視点からご紹介しています。とはいえ、そもそも「コーチング」とは何なのでしょう? 全体像はどうなっていて、どんな内容で構成されているのか? いろいろ疑問をお持ちの読者もおられると思います。

そんな読者のために、「コーチングの基本を知ろう!」シリーズとして、「コーチング」に関する解説記事を随時提供していきます。第1回目は、「教えるコーチ・教えないコーチ」と題して、二つの対照的なコーチ像から“コーチング”についてみていきます。

正しい技術を教えるのがコーチ?

“コーチング”といって、多くの人がまず思い浮かべるのが、スポーツにおけるコーチでしょう。スポーツ選手には必ずといっていいほど、コーチがいます。選手に常に寄り添い、時には厳しく、時には優しく励ましながら、手取り足取り正しい技術を教えこむ。これが一般的な“コーチング”のイメージではないでしょうか?

ビジネスやマネジメントの世界で“コーチング”というと、このようなスポーツの延長から、部下をスポーツ選手になぞらえ、部下に対して密接にかかわりながら、正しいやり方を教えていく姿を思い浮かべるかもしれません。

しかし、“コーチング”が注目され、ビジネスなどにも活用されるようになったのは、こういった正しい技術・やり方を教える従来の「教える」コーチに対する見直しから始まっているんです。

教えるほどダメになっていく

「もっとヒジを上げて!」
「腰から回さないとダメだよ」
「肩の力を抜いて!」

コーチから選手に向かって投げられるさまざまな指示・フィードバック。確かにその一つ一つはもっともですが、それらを意識してやろうと思えば思うほど、余計に身体が動かずできなくなっていく。そんな体験はありませんか?

仕事でも上司から指導・注意を受ければ受けるほど、考えることが多くなり、仕事が難しく感じられて行動が鈍っていく。例えば、この「コーチング・マネジメント」でさかんに取り上げている「聴く」ことについても、いい「聴き方」を意識してちゃんと「聴こう」とするあまりに、よけいに人の話が聴けなくなっているかもしれません。

相手によかれと思ってやっている「教える」ことが、逆に相手を縛り、動けなくしている可能性があるのです。

「教えない」コーチとは? 次ページへ>>