コーチング/信頼関係作り

困った人との上手な付き合い方とは? 心地いい人間関係のコツ

困った人だな...とコミュニケーションをとるのが億劫になってしまう人との関係や対処法は難しいですよね。すぐに怒る人、沈黙してしまう人、不平不満ばかりであげ足をとってくる人。性格が難しく対立傾向にある3つのタイプについて、関わり方のコツを紹介します。

平野 圭子

執筆者:平野 圭子

コーチングマネジメントガイド

「困った人」3つのタイプとは?困った人との上手な付き合い方とは

困った人との上手な付き合い方とは? 

人間関係で困った3つのタイプ

あなたの周りに短気ですぐに怒る上司、注意するとすぐに黙ってしまう部下、不機嫌な同僚、敵意をむき出しにする顧客などはいませんか? 職場の中は、いつも協力的で素直な人だけでなく、時には付き合うのが難しい人がいます。

実は、こういう人は「対立する傾向のある人(コンフリクト傾向がある)」と呼ばれていて、3つの典型的なタイプに分かれます。そのタイプとは「攻撃的タイプ」「不平不満タイプ」「沈黙タイプ」です。
 
<目次>

困った人に影響されない方法とは?

友人関係だったら合わない人は避けることができますが、職場ではそうはいきません。ましてや、直属の上司や部下の場合はなおさらです。対立傾向のある人たちに影響されない方法は、
  1. 対立する人がいるということを知る
  2. タイプを見極める
  3. 対応方法を知る
です。あなたの身の周りで付き合うのが難しい人がいたら、どのタイプか振り返ってみてみましょう。次に、それぞれのタイプの特徴を見てみましょう。
 

困った人1. 自分の非を認めない「攻撃的タイプ」

敵意を示したり、相手を傷つけようとしたり、傲慢な態度をとる傾向があります。相手を支配しようとし、何か知らないことがあっても決して認めようとしません。「なんで言うことがわからないんだよ!」「さっきも言ったじゃないか!」というセリフは、このタイプの特徴です。
 

困った人2. あげ足ばかりとる「不平不満タイプ」

常に不平不満を言っています。この人たちにかかると、人生から得られるものは不運だけ。うまくいっている人を見ると、「でも、こういうところはどうなの?」と冷や水を浴びせるような言動を取ります。やっかいなのは、この態度は周りにも伝染するということです。「なんで私ばっかりこんな目にあうの?」「そんなことやって何が楽しいの?」というセリフは、このタイプの特徴です。
 

困った人3. 自分の意見を言わない「沈黙タイプ」

優柔不断の一種といえます。口を開いても当たり障りのないことを言うくらいで、何を考えているか、どう感じているかを話すことはありません。自己開示しないので、どう対応したらいいかわからなく途方にくれることがあります。たとえば、「何か他にいい考えはないの?」と聞いても黙ったままで、何も続かないのがこのタイプの特徴です。

対立する傾向のある人が、このような態度を取る要因はいくつかあります。これまで人から励ましや援助をあまり受けたことがなかったり、特定の人をモデルにしていたり、「人を信頼してはいけない」などの独自の価値観を持っていると対立傾向を示すことがあります。
 

困った人とうまく付き合っていく方法とは?

3つのタイプに応じた関わり方をする。なかなか難しいが、WIN-WINの関係作りを意識する

3つのタイプに応じた関わり方をする。なかなか難しいが、WIN-WINの関係作りを意識する

対立する傾向のある人たちとうまく付き合っていく上で大切なのは、相手の物の見方を理解し共有できるポイントを見つけることです。そのために、それぞれのタイプをもっと深く理解しましょう。「この人はこういうタイプに違いない」とレッテルを貼るのはいけませんが、上手に関係を築くために、以下の点に注意してください。
 

攻撃的タイプとの付き合い方

相手の行動だけでなく、人格そのものを攻撃することもあります。基本的にストレスが高く、自分が相手より上であったり優勢であることが大切なのです。このタイプと付き合うには、

■弱みを見せないこと
相手を威嚇することで望むものを手に入れています。弱みを見せることは、彼らが活躍する舞台を提供することと同然です。

■冷静になるまで待つ
口を挟まず最後まで話を聞く、同意するなど、感情や態度が沈静化するのを辛抱強く待つことです。

■合意できる点を見つける
敵対することに喜びを見出します。逆に合意点を見つけて応対すると混乱します。それは、あなたに反対するために、自分自身に反対しなくてはならなくなるからです。
 

不平不満タイプとの付き合い方

本当は言いたいことがあるのに言えないことを、不平不満という形で表現している傾向があります。このタイプと付き合うには、

■とにかく話を聞く
もしかしたら、誰にも話を聞かれたことがないのかもしれません。その人に関心を示し、その人を理解しようとしていることを知らせます。

■理解しても同意しない
理解することイコール同意とは限りません。同意したら最後、あなたにも不平不満に参画させるよう働きかけます。「あなたの言うとおり」という言い方は避け、「そう思ってるんですね」「そう思っていることはわかりました」などと伝えることです。

■他の選択肢を示す
優柔不断な傾向があるので、選択肢が少ないと決めることができません。できるだけ多くの可能性を示し、たくさんの選択肢を示して選ばせることが大事です。
 

沈黙タイプとの付き合い方

無口とは違います。あなたが働きかけても返事をしません。実は沈黙にはいくつかの可能性があります。非常に強い怒りがあり拒絶を表す沈黙、隠したいことがあるために避けている防衛の沈黙、感情的になることを避けている抑制の沈黙があります。このタイプと付き合うには

■相手を否定する質問はしない
相手を追い込むような質問は、さらに相手を閉ざされた状態にします。

■沈黙を気にしない
沈黙されても、表情を変えずに視線を向けて質問する。このタイプは答えを素早くまとめるように求められた経験が少ないので、困っているのです。辛抱強く待つこと。

■相手に関心を持っていることを示す
相手の関心が本当に自分に向けられているかを敏感に感じ取っています。それを怠ると、殻に閉じこもってしまうので注意すること。
 

お互いに心地いい関係をつくるには?

私たちは、相手が自分のしてほしいことに合わせてくれないと「付き合いづらい人」「わがままな人」というレッテルを貼ってしまいます。物事の捉え方は人によって違いますし、今までの環境や経験も違います。対立傾向のある人と付き合うには、相手を変えようとしないことです。適切な距離を持ち相手の言うことを聞き、対策を考えて実践してください。

そのためには、自分だけうまくいこうとするのではなく、お互いがWIN-WINの関係を作ることが大事です。それさえ意識すれば、対立傾向にある人とうまく付き合っていくことができます。

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