玄関とアプローチ/まとまり vs 独立
まず最初は、家の顔となる「玄関」です。ひとつの家としてまとまりを強調したい息子夫婦同居と、独立したふたつの世帯を強調したい娘夫婦同居では、おのずと配慮が異なります。●息子夫婦同居
●娘夫婦同居
世帯間のつながり/外階段 vs 内階段
どちらの同居形態でも、親世帯・子世帯のプライバシーの配慮は必要ですが、それぞれ必要となる動線は異なります。●息子夫婦同居
●娘夫婦同居
家事スペース/別々 vs 一緒
息子夫婦同居・娘夫婦同居に関わらず、キッチンはふたつ設置することを基本とした方が、様々な点で問題が少ないでしょう。しかし、その他の家事スペースについては、配慮が異なります。●息子夫婦同居
違う文化をもつふたりの主婦が、気がねなく家事ができるようにしなくてはなりません。先にも書いたように、キッチンはふたつ設置することが基本ですが、十分なスペースがない場合でも、どちらかの世帯にコンパクトなサブキッチンの設置をするなどの対策をおすすめします。また、浴室が共用でも、洗濯機は別々にしたり、干し場をそれぞれに確保するなど、家事スペースはできるだけ別々にすることを心がけます。
●娘夫婦同居
実の母娘ですから、家事スペースが共用でも大きな問題はありません。洗濯やアイロンがけなどをする共用のユーティリティーを設ければ、家事協力もスムーズにできます。スペースが限られているのであれば、家事スペースを別々にするより、接客スペースやくつろぎスペースに回すと良いでしょう。
リビング/くつろぎ vs 応接
どちらにも、世帯専用のスペースが必要なのですが、その意味合いが若干異なります。それぞれの気持ちを汲んで、スペースの確保をしましょう。●息子夫婦同居・・・くつろぐスペースとして
日中長くいる子世帯奥様が、ひとりでホッとできる空間も必要です。そのためにも子世帯専用のくつろぎスペースを確保しましょう。また、同居の場合、お客様(とくに子世帯奥さまの肉親や友人)も相手世帯に気をつかうものです。しかし、専用スペースがあれば、気軽に招くことができます。これは、親世帯にも同様のことが言えます。親世帯側にも、気軽にお客さまが来られるような配慮が必要です。
●娘夫婦同居・・・独立性のアピールとして
娘夫婦同居の場合、日中のくつろぎは母娘一緒でもさほど気がねがありません。しかし、社会に出て働いている男性は、対外的に独立した家庭を営みたいと考えているはずです。そこで、子世帯専用の応接スペースなど、独立性の高いスペースを確保しましょう。子世帯ご主人が「自分の家」として、自分の肉親・同僚・友人などを招き易い環境にしてあげる配慮が大切です。
以上の様に、息子夫婦同居と娘夫婦同居では、求めるものが異なるため、プランニングをする際のスペース配分や考え方が異なってきます。物理的な制約(敷地の広さ・予算 など)のなかで、より良いプランニングをするためにも、それぞれのポイントを押さえて、優先する項目を決めていきましょう。