世帯間の音は遮り、行き来は自由に
まずプランニングで気をつけたこと、良かったことについてお伺いしたところ「生活音の配慮」と「世帯間の内扉」の2つをあげて下さいました。-
●生活音の配慮
3階LDKは、ご主人が趣味の音楽鑑賞を楽しむ部屋でもあります。夜遅く帰宅してから、好きな音楽を聴くこともしばしば。そんな時、すでに2階で寝ている奥様が、ご主人の気配を何となく感じることもあり、やはりLDKは3階にして良かったと実感しているとのことでした。
とは言え、生活の中心であるLDKが3階だと、多少大変なのでは?とお聞きすると、「3階で家事が全て済むようになっているので、一度上がってしまえば、水平移動だけですから、さほど不便は感じません」と子世帯・奥様。確かに、個室以外が全てワンフロアにあれば、マンションと同じかもしれませんね。
●世帯間の内扉
「実際に住み始めてみると、とても便利でした。一番良かったのは、子供達が両世帯を自由に行き来できること。外玄関だけだったら、そうはいかなかったと思います。また急な雨の時には、鍵を使わなくても子世帯の洗濯物を入れてもらったりと、今ではすっかり『なくてはならない扉』になっています」と子世帯・奥様イチオシ。まさに、娘夫婦同居おすすめの、表分離・中融合が功を奏したようですね。
計画段階でリーダーを決める
B様から計画の進め方についてのアドバイスがありました。B様の場合は、親世帯・奥様と子世帯・奥様が主に計画をすすめ、ハウスメーカーとの窓口もされたそうです。このように「それぞれの世帯の意見をまとめる“リーダー”を立てると、効率よく進むと思いますよ」と子世帯・ご主人。確かに、住宅建設の計画ともなれば、決めなくてはならないことがたくさんあります。夫婦や実の親子でも、なかなか意見が合わないものです。ましてや、二世帯ともなれば、全員のコンセンサスを得るのは大変です。さらに、ハウスメーカーの営業・設計担当とも、いろいろ話合わなければなりませんので、リーダーは必要となるのでしょう。
二世帯ライフの心構え
最後に「二世帯同居を上手に送るコツ」についてお伺いしました。しばらく悩んでから「性格的な部分が大きいと思いますよ」と顔を見合わせる皆さん。つまり「ハードよりソフト。まずは心構えが大切!二世帯同居が上手くいくいかないの差は、両世帯の気持ちの持ち方次第」というのが結論でした。特に「ねばならぬ」を減らすことが最大のコツ。守らなくてはならない事が増えれば増えるほど窮屈になるだけ。お互い縛りは少なくするのが暗黙の了解のようでした。さらに「何でも一緒にと思わない」「お互いやりたいことはやる」「細かいことを気にしない」のが成功のカギともおっしゃっていました。やはり自然体が一番なのですね。
また「休日は別々」がB様ご家族のルール。平日あわただしい分、休日は、親世帯・子世帯別々に、お互いのペースでのんびり過すことにしているとのこと。お互い必要以上に干渉しないのも、ストレスをためないコツと言える様です。
今回のB様ご家族は、基本的には、両世帯・奥様が生活の中心となっています。両世帯・ご主人がとても穏やかで、細かいことにこだわらない性格のため、実の母娘が結束し、男性陣がそれを見守るというタイプの二世帯同居でした。が、やはり今回のお宅でも「完全分離」は絶対おすすめの条件とのこと。二世帯住宅の理想型は「完全独立」なのかもしれませんね。
【参考記事】
二世帯住宅のメリット・デメリット
理想形?実の母娘同居
子育て共働き夫婦必見
二世帯住宅は共働きの救世主?
二世帯生活を上手に送るヒント~その1
家族が気付かない、家族の『音』