文章:山口 由紀(All About「二世帯住宅で暮らす 」旧ガイド)
夫婦ふたりで過ごす時間も長くなる退職後。今回は、団塊世帯がより快適に過ごすヒントについて、ご紹介したいと思います。 |
そんな世代の実生活調査(旭化成ホームズ・ロングライフ住宅研究所)が発表されました。今回は、その調査データを参考にしつつ、団塊世帯がより快適に過ごすヒントについて、ご紹介したいと思います。これから二世帯同居をお考えの団塊世代・親子の皆さん、ぜひ参考にして下さい。
60歳!まさに第二の人生のスタート
「定年退職後はのんびり隠居して...」などと言っていたのは昔のこと。平均寿命も長くなり、最近では80歳まで、今後は90歳まで生きるのは当たり前、という時代になりつつあると言われています。今回は、平均寿命ではなく、あと何年生きるのか?を表した「平均余命」に注目してみましょう。 年齢別の平均余命 (資料提供:旭化成ホームズ・ロングライフ住宅研究所) |
ちなみに、一般的な定年退職時・60歳の平均余命をご覧下さい。男性は約22年、女性は約28年となっています。このように、定年後の生活期間は、とても長くなっているのです。まさに、60歳は第二の人生のスタートと言えるのではないでしょうか。
しかも、定年後の生活は、子どもは独立し、夫婦ふたりで過ごす時間が長くなります。となれば、夫婦ふたりの暮らし方を考えた住まいが必要です。そこで、夫婦の生活実態についての調査が実施されたのです。
夫も妻も一番長く過ごす部屋は、LD(リビングダイニング)
夫が50代以上で18歳以下の子が居ない夫婦を対象に、夫婦が普段どのように過ごしているのかについて聞いたこの調査(旭化成ホームズ・ロングライフ住宅研究所)の結果、夫婦の微妙な距離が浮き彫りになったのです。この調査では、夫婦の過ごし方に注目しています。そして、住まいの中で過ごす時間が一番長かったのが、LD(リビングダイニング)でした。これは書斎などの個室を持っている場合でも同様で、LDの重要性が示された結果となりました。
資料提供:旭化成ホームズ・ロングライフ住宅研究所 |
LDでの夫婦ふたりの居場所や過ごし方には、いくつかのパターンがあるようです。それは、(1)リビングで一緒に居る・(2)ダイニングで一緒に居る・(3)夫はリビング、妻はダイニングと離れて居る、の3パターン。さらに、それぞれのパターンで、お互いの距離や視線の方向に特徴がみられたとのことです。
これらの調査結果をベースに、導き出されたのが「つかずはなれずプランニング」でした。
次ページでは「つかずはなれずプランニング」のための、4つの計画ポイントについてご紹介します。