車椅子の利用も踏まえた将来対応がベスト

二世帯同居で介護する場合は、どのような家にしておけばよいのでしょうか。介護経験者の方々から、二世帯同居で介護をするにあたり、住まいの設計で配慮したこと・良かったこと・不具合を感じたことなどについて、お話をお聞きしていますのでご覧下さい。

●介護は椅子座で計画を
骨折などの怪我で床座の生活ができなくなり、洋室を使用した。介護状態になった場合は、畳よりベッドとテーブルの方が、本人も動きやすくまた介護もしやすい。

●夫婦別寝室に
要介護となったご主人の寝室は別室にし、専用の洗面を設置した。

●廊下の幅は広めの計画を
入居当初は必要ないと思っていたが、廊下幅が狭く車椅子で通れないのではないか心配。将来的なことも考えると、車椅子でも通れる廊下幅が確保できると良い。

●扉は引き戸がおすすめ
扉はなるべく引戸にしておくと、車椅子になっても開閉ができるので良い。とくにトイレは、プライバシーの問題だけでなく、臭いの問題も含めて、車椅子になった時も閉められる様にしておくことがベスト。

●水回りは広く!できれば専用スペースを
浴室・洗面所を広くしておくと、要介護状態になったときにも使いやすい。浴室は3枚引戸を採用し、介添えでの出入りもしやすく配慮した。また、加齢とともにトイレに時間がかかるようになるので、本人専用のトイレがあると、本人にも家族にもストレスがない。

●手すりは向きも重要
手すりはほとんどついていたが、浴室内の出入り、玄関上がり框にある縦手すりは、縦だと握力が落ちると握れない。横手すりがあると良いと感じた。また、デザインも考慮できると尚良い。

●細かい配慮が自立への道
照明などのスイッチ位置は、車椅子でも届く高さにした。また、洗濯機が1階で洗濯干し場が2階だったため、親世帯には大変そう。加齢に伴い上下の移動は大変になるので、親世帯の上下動線は極力無くし、自立できる環境にしておく方が良い。

●車庫へのアプローチにも配慮
屋内車庫を設けたが、雨でも車への乗り降りが楽で良かった。特に母を伴なう車の外出には重宝している。

当初は考えてもいなかった「介護に必要となるスペースの確保」や「車椅子の対応」、症状によって異なる「手摺りの設置」について、経験者ならではの意見が多く見られました。実際に介護が必要になった場合、介護がしやすいか否か、また本人が自分の力で移動しやすいか否かは、日々の生活で大きな違いとなるようです。健康状態や介護レベルにより、細かな配慮は様々で、すべてのことに備えられる訳ではありませんが、これらに備えた住まいが万一介護になった時でも安心できるといえるでしょう。


このような『二世帯住宅』を実現するためには、具体的なプランニングの工夫が必要となります。具体的な方法については「同居と介護(2)」で詳しくご紹介したいと思いますので、続けてご覧下さい。

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