文章:山口 由紀(All About「二世帯住宅で暮らす 」旧ガイド)
高齢社会を迎え、さらに数年後には超高齢社会に突入すると予測される現在、介護は避けて通れない問題となっています。今回は、両親の介護という視点ではなく、祖父母と孫の間で、介護がどのように受け止められているかについてご紹介したいと思います。※ご紹介するデータは、首都圏に住む小学校高学年から中学生の子ども(約1100名)と、その祖父母(約1500名)を対象にしたものです。
「看病や世話をしてあげる」という、優しい孫が半数近く!
祖父母にとって、孫は特別な存在になると言います。子育ての責任がある自分の子どもより、ただただ可愛いと良く聞きます。そんな存在である孫達は、祖父母の介護についてどのように捉えているのでしょうか?祖父母が寝たきりになったり、他人の手助けが必要になった場合に孫としてはどうしてあげたいかを尋ねてみました。以下の結果をご覧下さい。
Q:おじいちゃんやおばあちゃんが寝たきりになったり、他人の手助けが必要になった場合、あなたはどうしてあげたいと思いますか? |
資料提供:二世帯住宅研究所 ※グラフをクリックすると大きくなります |
現在の同居形態別(べったり同居・二世帯同居・別居)に集計していますが、「看病や世話をしてあげる」「話し相手になってあげる」と答えた孫が大半となり、なかなか心優しい回答が多く、安心しました。
同居形態別に見てみますと、やはりべったり同居は、「看病や世話をしてあげる」が多く、実際に手を貸すイメージが湧きやすいことがうかがえます。一方、二世帯同居の場合は「話し相手になってあげる」の率が一番高く、祖父母とやや距離を置いた姿勢がうかがえます。親世帯・子世帯の生活分離意識が、孫の気持ちにも反映していると考えるべきでしょうか。
次ページでは、祖父母の気持ちを見てみます。