【第11回】アトピーとアナフィラキシーと【第12回】アトピーと食物アレルギーが関係する病気に、「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」があります。これは、アトピーに合併するアレルギーの病気の中で重症なアナフィラキシー、その中で、食べ物と運動が重なることで、起こる病気です。


食物依存性運動誘発アナフィラキシーって何?

光線・寒冷・温熱・運動・食べ物などの刺激でも、呼吸困難・血圧低下といったアナフィラキシーになります(アトピーとアナフィラキシーを参照にしてください)。普段は、食べ物や運動ではアナフィラキシーは起こらないのですが、特定の食べ物を食べてから2~3時間以内に運動すると、アナフィラキシーになることがあります。これを、「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」と呼んでいます。

この食物依存性運動誘発アナフィラキシーは、運動だけでは起こりませんし、ある食べ物を食べるだけでも起こりません。運動と食べ物の組み合わせが引き金になってしまいます。


原因食物は?

小麦やエビに注意しましょう
いろんな食材で起こりますが、特に、起こりやすい食材を列挙します。
  • 小麦
  • エビ
  • カニ
  • 貝類
  • 果物・野菜(ブドウ・モモ・セロリ)



診断方法

問診が非常に重要です。学校なら、給食を食べて後の体育で気分が悪くなったり、呼吸が苦しくなったりした場合は要注意です。この「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」の可能性があります。まず、原因になる食べ物を見つけることから始まります。血液検査・皮膚試験で、反応する食べ物を特定します(アトピーの検査を参照にしてください)。次に特定された食べ物を食べて、運動負荷します(運動負荷試験)。この検査は、アナフィラキシーを起こす検査ですので、医療機関で注意して行います。


治療と予防

運動する時には注意しましょう
アナフィラキシーが起こった場合は、迅速な治療が必要です(アナフィラキシーの治療を参照にしてください)。

しかし、蜂に刺された場合などと違い、「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」の場合は、予防ができます。
原因の食べ物を食べたら、運動しない。
運動前に、原因の食べ物を食べない。
当たり前のことですが、この2点を守ることです。

なかなか聞きなれない病気ですが、一旦起こってしまうと重症の恐れがあるので、注意が必要です。まずはきちんと診断して原因を特定できれば、予防できる病気です。食後に運動すると「呼吸が苦しい」といった症状がある場合、アレルギー専門医に相談してみてください。


豆知識
運動負荷試験:トレッドミル(傾斜のついたローラーの上を走る)、マスターダブル(2段の階段を上り下りする)、エルゴメーター(自転車こぎ)など、ジムなどにあるような器具で運動します。運動を負荷する試験で、心臓機能などの検査でも使われている。



アトピーの基礎知識シリーズ
【第1回】アトピーってどんな病気?
【第2回】アトピーの原因
【第3回】アトピーの検査
【第4回】アトピーの合併症
【第5回】アレルギー・マーチって何だ?
【第6回】アトピーと喘息の関係
【第7回】アトピーは遺伝するの?
【第8回】アトピーと「じんましん」の関係
【第9回】アトピーと花粉症
【第10回】家が原因?「シックハウス症候群」
【第11回】アトピーとアナフィラキシー
【第12回】アトピーと食物アレルギー
【第13回】食物と運動とアナフィラキシーの関係


<参考リンク先>

アナフィラキシーを起こす可能性のあるその他のアレルギー

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