アトピーである人が、「目が見えにくくなった…」「水泡ができた…」などの症状が出てきた時は、要注意。アトピーには合併症が発生する可能性があるので、速やかにかつ適切な処置が必要となってきます。

そこで今回は、アトピーの合併症について解説していきます。

【第1回】アトピーってどんな病気?
【第2回】アトピーの原因
【第3回】アトピーの検査
【第4回】アトピーの合併症

アトピーの合併症のサイン

アトピーである人が
  • 眼が見えにくくなる
  • 赤い湿疹が広がっていく
  • 水疱ができた
  • 水を持った”いぼ”ができた

といった症状が出た場合は注意が必要です。「かゆいな…」や「ただの水泡か…」と思い、そのまま放置すると症状を悪化させ、治療に時間を要するようになるので、ちょっとでもおかしいと思った時は医師に診断してもらいましょう。


合併症その1:白内障

目をこするのは厳禁
  • 目がかすむ
  • 見るものがぼやける
  • まぶしく感じる
  • 物が二重、三重に見える。
  • 物がみえにくい
上記のような症状があれば注意が必要。白内障の可能性があります。白内障は、眼のレンズである水晶体が白くにごる病気で、物が見えないといった症状が出て視力が低下します。カメラでいえば、レンズが白く曇って何も写らなくなる状態です。眼をこすらないようにし、眼科で白内障の疑いがあるかないか診断してもらいましょう。治療方法は、濁った水晶体を人工水晶体に手術で交換します。日帰り手術が可能です。


合併症その2:網膜はく離

  • 見えない視野がある
  • 急に視力がなくなる
  • 蚊が飛んでいるように見える
  • 物がみえにくい
上記のような症状があれば、白内障と同様、注意が必要です。網膜はく離の可能性があります。網膜がはがれ、放っておくと失明します。カメラでいえば、フィルムが凸凹になって何も写らなくなる状態です。こちらも白内障と同様、できるだけ眼をこすったりせず、眼科で必ず網膜はく離の可能性がないか診断してもらいましょう。網膜はく離は手術が必要です。


合併症その3:ヘルペスウイルス感染症

ヘルペスウイルス感染症:水泡からカサブタになります。かゆくて痛いといった症状が特徴
体や口の周りに赤みを伴う水泡ができます。子供がよくかかる「水疱瘡(みずぼうそう)」も、ヘルペスウイルス感染症です。アトピーの人は、水疱瘡にかかると悪化の度合いが通常の人より激しくなります。大人では、「帯状疱疹」(たいじょうほうしん:肋骨に沿って水疱ができます)を発症します。痛くて、かゆいという症状が特徴です。

このようなヘルペスウイルス感染症には、抗ウイルス薬(アシクロビル)がありますので、早期に医師に診てもらい、早期治療で完治を目指しましょう。


合併症その4:伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)

伝染性膿痂疹:時に水泡になることがあるので、ヘルペスと区別がつかないことがあります
症状としては体に赤いブツブツができます。その湿疹の部分を掻いて、その手できれいな皮膚を掻くと伝染するので、「とびひ」と呼んでいます。

皮膚を清潔にして、手をきちんと洗うことで伝染することを減らすことができます。伝染性膿痂疹の原因の多くはブドウ球菌が関与しています。スキンケアが重要で、医療機関で抗生物質の内服・外用薬が必要になります(スキンケアをご参照ください)。


合併症その5:伝染性軟属腫(でんせんせいなんぞくしゅ)

特徴として、体に少し水を持った白い「いぼ」のようなものできます。その形から「水いぼ」と呼び、ポックスウイルスというウイルスが原因です。

残念ながら、このウイルスには特効薬はありません。水いぼをつぶすか、自然に治癒するまで様子をみます。自然に治るのは、数ヶ月かかります。


以上、アトピーの合併症はかゆくて皮膚をかいたり、目をこすったりして症状を悪化させることが多いです。多少面倒でもスキンケアを実践し、皮膚を清潔に保つことで症状を防ぐ、もしくは症状を悪化させないようにしましょう。また、医師と相談しながら、地道に実践することからアトピーをよくしていきましょう。


豆知識
人工水晶体:白く濁った水晶体を取り除き、人工の水晶体に替える。成分はプラスチック、シリコン、アクリル。

細菌とウイルス:細菌は自ら生きていけますが、ウイルスは単独では生きていけず、必ず細胞が必要。細菌とウイルスは大きさが異なり、ウイルスは非常に小さい。


<参考リンク先>

リウマチ・アレルギー情報センター

アトピー性皮膚炎の合併症(遠藤アレルギークリニック)

アトピー性白内障(昭和大学)

合併症に気をつけましょう(たらお皮膚科)
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