アトピーとよく似ているけれど、アトピーではない病気について紹介していきます。

なかなか湿疹が引かない場合や、何かおかしいと思ったときは、アトピーと思い込む前に、原点に戻って、アトピーかどうか診断する必要があります。これからいくつかのアトピーに似た皮膚の病気をご紹介したいと思います。

シリーズ第2回目は、ダニが原因で起こる疥癬について説明します。

アトピーに似た病気シリーズ
【第1回】接触性皮膚炎
【第2回】疥癬

疥癬とは?

この病気には、ヒゼンダニ(疥癬虫)というダニが、皮膚の角質層内の寄生しておこる皮膚感染症で、赤い発疹が見られます。湿疹だけだとアトピーに似ていますが、発疹が線状に連なっているのが特徴です。アトピーとの違いは、ダニが皮膚にトンネルを作った山が連なっていることです。疥癬の場合は、アトピーの治療をしても治りにくいですし、同じ生活をしている人にうつってしまうことがあります。

ヒゼンダニ(疥癬虫)とは?

指の疥癬の写真です。発疹は続いています(写真提供:九段坂病院 皮膚科 大滝 倫子 先生)
疥癬虫で、ダニ類に属します。疥癬虫の卵は2~3日で孵化し、3~4日の幼虫を経て、若虫となります。若虫から成虫に脱皮するまではおよそ5~6日かかります。幼虫、若虫は皮膚のくぼみや毛穴に入り込み、穴を掘って隠れています。ダニには雄と雌がいて、交尾後、雄は死にますが、雌は皮膚の角質層内にトンネル(疥癬トンネル)を掘り、毎日2~3個ずつ卵を産み続け、4~6週は生き続けます。ダニの一種ですから50℃10分間の熱で死にます(梅雨に向けてのダニ対策を参照してください)。周りになるべくダニの少ない環境が望ましいです。

症状は?

疥癬トンネルができています。ダニが作ったトンネルです(赤穂市民病院 皮膚科 和田 康夫 先生)
疥癬の症状は大きく2つに分かれます。ヒゼンダニに対するアレルギーとヒゼンダニそのものによる湿疹です。
  • 小さい赤い丘疹(ブツブツ)→ヒゼンダニの抜け殻,糞などに対するアレルギー
  • 盛り上がった線状の皮疹→メスのヒゼンダニが卵を産んでいる場所
  • 結節(しこり)→ヒゼンダニが死滅し、その跡




次のページでは、疥癬の治療法と対策を説明します。