ストレス/ストレス発散・解消法

もっと毎日に「カタルシス」体験を!(2ページ目)

心のわだかまりを浄化するのが「カタルシス」。最近、心のコリがほぐれないという人は、カタルシス体験が足りていないのでは?カタルシスを得るためのヒケツについてお伝えします。

大美賀 直子

執筆者:大美賀 直子

公認心理師・産業カウンセラー /ストレス ガイド

人々が“感動モノ”を好むわけ

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古代ギリシャの昔から、人々はカタルシスを求めていた
多くの人がカタルシスを感じるものに、「悲劇」があります。

そもそも、人はなぜ悲劇を好むのでしょう?アリストテレスは、悲劇を見ることで精神に「カタルシス」(浄化)の作用が働くからだと説きました。悲劇のヒーロー、ヒロインの心情と自分の心情とを重ね合わせて共感することにより、無意識の中に潜む葛藤や感情が湧出し、浄化されるというわけです。

悲劇に限らず、人は“感動モノ”が好きですよね。たとえば、トリノ五輪で金メダルをとったフィギュアスケートの荒川静香選手。日本中が熱い感動の涙を流しながら、彼女の演技を見つめました。

挫折と苦難を乗り越え、緊張とプレッシャーにさらされた大舞台で自分らしさを失わずに最高の演技を見せた荒川選手。その姿が人々に強いカタルシスを与えたからこそ、瞬間最高視聴率43.1%、その後の出演番組でも高視聴率を出すことができたのではないでしょうか?


最近、カタルシスしてますか?

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もっとカタルシス体験を積み重ねよう
こうしたカタルシスは、何かを視聴することだけに限りません。話をしたり、絵や歌、スポーツなどのように“行為”によってもカタルシスは得られます。これを心理療法として初めて用いたのが、フロイトの初期の共同研究者であるJ.ブロイアーです。

たとえば、友人に話を聞いてもらったとき。思いをしっかり受け止めてくれる友人と話すと、無意識の中にしまいこんでいた考えが堰を切ったようにあふれ出してきて、涙があふれてきたことがありませんか?

このようなことは、誰でも経験したことがあると思います。でも、心のモヤモヤが自分を縛って苦しいと感じる人は、ひょっとすると近頃カタルシスを得ていないのではないでしょうか?

ぜひいい映画を見たり、友人と食事をしながらじっくり話したり、アートやスポーツなどを通じて楽しんでみてください。わだかまりから開放されて、心の安定を取り戻す契機となるでしょう。



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