営業のノウハウ/営業の商談・ヒアリング

高額受注のカギ! 営業の商談・ヒアリング(4ページ目)

営業力の課題として多く挙げられるのが「ヒアリング力」の不足。お客さんの情報を正確に、深く、多く聞き出せないと、高額受注はありえません。簡単そうで難しい○○○についても、見直しましょう。

西野 浩輝

執筆者:西野 浩輝

営業ノウハウガイド


ヒアリングでも事例紹介は強力な武器になる

お客さんから一歩も二歩も突っ込んだ深い話を聞き出したいときのテクニックとしては、「事例紹介」も効果的。事例紹介というと、商品説明やプレゼンテーションのときに用いるテクニックと考えがちですが、実はヒアリングにおいても強力な武器となるのです。

たとえばお客さんに対して、「実は当社の取引先で○○の課題を抱えている企業様がいらっしゃいまして、その企業様では××のような方法で課題解決を図りました。御社が抱えている課題と非常に似ていると感じたのですが、いかがでしょうか」というふうに、事例を持ち出しながら質問したとします。

するとお客さんはどう反応するでしょうか。「うん、確かに似ているね」「それはちょっと当社のケースとは違うと思うよ」などと答えるはず。そして「似ている理由」や「違う理由」を話し始めるでしょう。

お客さんの中には、「課題は何ですか」と尋ねても答えられない人が少なくありません。しかし事例を持ち出せば、その事例を「ものさし」としながら自分の状況を話すことができるようになるわけです。

さらに、事例と自分の会社と「どの部分が似ているか」「どの部分は違うか」を詳しく聞き出していくことによって、「そのお客さんが抱えている独自の課題」を深掘りしていくこともできます。最終的にはお客さん自身も気づいていなかった潜在的な課題やニーズまで掘り出していくことも不可能ではありません。

ヒアリングで圧倒的な信頼を得る

実はこの「お客さんの潜在的な課題を掘り出すようなヒアリング」ができたとき、ヒアリングは「お客さんから課題やニーズを聞き出す」という当初の目的を大きく越えたものとなります。

なぜならお客さんは営業マンに対して、「この営業マンは鋭く問題の核心に迫っていく力がある。自分がこれまで気づいていなかったことまで気づかせてくれた。信用できるぞ」という圧倒的な信頼感を抱くようになるからです。

ヒアリングは、単にお客さんから話を聞く時間ではありません。商談の主導権を一気にこちら側に引きつける可能性を持った時間なのです。
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